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LC-ESI/MSにおける酸性移動相条件での負イオン検出について

逆相分配クロマトグラフィーにおいて、カラムに保持され難い高極性化合物(イオン性化合物)を保持させるために、イオン対試薬を用いる方法と解離抑制の移動相を用いる方法があり、解離抑制のための移動相条件はLC/MSには適さないという話を以前ブログに書きました。

 

 

シリカベースの逆相カラムは、一般的には強塩基性条件に弱いので、解離抑制のための移動相条件としては酸性側で使う方が多いと思います。解離抑制のために移動相を酸性にするということは、分析種も酸性ですから、LC/MSでの検出には正イオンより負イオンの方が適しています。移動相が酸性、分析種も酸性、そして分析種を負イオンで検出するということは、分析種の負イオン検出におけるイオン強度は移動相の種類(酸性度)に大きく依存します。

 

先日、ソルナックチューブの実験のために日本電子㈱で装置をお借りした時、1つの化合物(分析種)を負イオンで検出する時、移動相を酢酸、ギ酸、TFAと変化させた時、分析種のイオン強度がどの程度変化するのか確認してみました。試料はアミノ酸の一種であるメチオニンを用いました。各移動相条件で測定した時の、メチオニンの[M-H]に相当する抽出イオンクロマトグラム(EIC)とマススペクトルを示します。

 

酢酸条件

メチオニン 負イオン 酢酸条件

 

ギ酸条件

メチオニン 負イオン ギ酸条件

 

TFA条件

メチオニン 負イオン TFA条件

 

各条件におけるEIC強度は、酢酸の時は5233、ギ酸の時は958、そしてTFAの時は未検出でした。移動相の酸性度が大きくなる程、メチオニンの[M-H]の生成が抑制されて、強度が減少していることが分かります。

 

また、TFA条件でHPLCとMSイオン源の間に陰イオン交換型のソルナックを接続した時のデータを示します。チューブ内での拡散の影響でピークはブロードニングしていますが、EICピークが確認できます。

 

TFA条件でソルナックチューブを用いた場合

メチオニン 負イオン TFA+ソルナック

 

また保持時間は、酢酸の時は1.8分、ギ酸の時は2.0分、TFA(+ソルナックチューブ)の時は3.6分でした。TFAでは、メチオニンのカルボキシ基の解離が抑制されたために保持が向上したことが分かります。

 

酸性移動相を用いて分析種を負イオンで検出する場合、移動相に添加した酸が付加したイオンが高い強度で検出される場合がありますが、今回のように酸が付加したイオンが検出されない場合、基本的には移動相の酸性度が高くなるほど、分析種の負イオンの生成は抑制される傾向にあります。

 

 

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2017年秋ドラマ:個人的に面白かったランキングベスト3

冬ドラマがすでに始まっていますが、昨年末に終了した秋ドラマの中から、個人的に“面白かったなぁ”と思うドラマベスト3を紹介します。因みに、私はドラマが大好きで、昨年は以下8つの秋ドラマを見ていました。「民衆の敵~世の中、おかしくないですか?~」、「明日の約束」、「奥様は、取り扱い注意」、「ドクターX」、「刑事ゆがみ」、「コウノドリ」、「先に生まれただけの僕」、「陸王」

なお、私が面白いと思うドラマは、

・共感できる内容

・感動できる学園もの

・好きな俳優・女優が出演している

のどれかである可能性が高いです。

 

で...

 

第一位:陸王

昨秋ドラマは何といっても「陸王」でしたね! 老舗足袋製造業の零細企業「こはぜや」が厳しい経営状況の中、存続をかけて新製品であるランニングシューズを開発するか従来の足袋事業に留まるかの選択を迫られる。開発資金調達や既存市場への新規参入の難しさ。零細企業経営者として、共感できる内容が多く、毎回ストーリーに入り込みました。また、私の趣味の1つであるランニングが、ストーリーの重要なテーマであったことも大きかったですね。私は15年程前から走っていますが、3年程前から膝への負担を減らすために、約1年かけてフォームを改良。踵着地 → フォア・ミッドフット着地に変更し、最近その走り方が大分安定してきたところでした。そこへきて「陸王」の中で「こはぜや」が開発した新しいシューズが、正にフォア・ミッドフット着地のためのシューズってことで、その点でも大いに興味を惹かれました。

開発したシューズは良い品なのに、なかなか市場で認めて貰えない。良い製品が必ずしも売れる訳ではない。開発を行っている企業であれば、どこでも経験することです。そのジレンマや、地団駄を踏みたくなるような悔しさ、開発したくても資金がないもどかしさ。とにかく共感できる内容が多かったという点で、ダントツの一位でした!!

 

第二位:先に生まれただけの僕

企業の営業マン(鳴海、嵐の櫻井翔くん)が、その企業が経営する高校の校長として出向させられ、他教師や出向元企業の専務(鳴海を出向させた張本人)らと対立しならが、特徴も人気もない三流高校を人気の進学校に変えるために奮闘する学園ドラマ。新任教師がその学校の従来の校風をぶち壊すというストーリーは学園ものにはありがちですが、それが校長というのは今までに余り見たことがないかなぁと思います。最初は校長の仕事にやる気を見せなかった鳴海が、学校を良くしたいという思いから少しずつ変わっていく。変わる最初のキッカケは、実績を上げて会社に戻りたいという自分のためだったが、徐々に生徒達のためにという気持ちの変化が現れ、見ていてほっこりする気持ちになることがしばしばありました。自分の意にそぐわない立場に立たされたとしても、その場で自分の出来ることをやるというスタンスは、良い仕事をする上でとても重要なことだと思います。

昨今、新入社員が直ぐに退職してしまうケースが多く、その理由の1つに“希望する仕事内容とのミスマッチ”があるという話題がしばしば報じられています。そのような理由で離職するのは入社1年目が多いらしいですね。私は仕事で学生と関わることが多く、彼らが卒業して就職する時には、“3年は辞めるな”と伝えるようにしています。“希望する仕事内容とのミスマッチ”と言いますが、そもそも希望する仕事内容が自分に向いているのか、希望通りでなく嫌だと思っている仕事が本当に自分に向いていないのか、本当は向いているのではないか、そんなことは就職して1年やそこらで分かる筈がないと考えており、学生達にもそのように伝えています。“先に生まれただけの僕”は、これから社会に出る学生くん達に見て貰いたいドラマでしたね。

 

第三位;ドクターX

今回で5作目だったのですね! 外科医の高いスキルと経験をもってフリーランスで勝負する大門未知子の姿は、大企業を退職して質量分析屋としてのスキルと経験で勝負している身として、毎回共感できる部分があり、欠かさず見ています。ストーリーはマンネリ化している感はありますが、次回作も楽しみです。

 

2018年冬ドラマも面白そうな作品が幾つかありますね。こちらも楽しみです。

 

 

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LC/MS/MSにおけるData Dependent Acquisitionのパラメーター設定について

質量分析を用いた未知化合物の構造推定にMS/MSは欠かせません。MS/MSの測定法には幾つかの種類がありますが、最も多用されているのはプロダクトイオンスペクトルを取得する方法でしょう。以前はプロダクトイオンスキャンと呼ばれていましたが、最近は四重極飛行時間質量分析計(quadrupole time of flight mass spectrometer, Q-TOF-MS)のようにMS2で電圧をスキャンしないタイプのMS/MS装置が増えてきたので、プロダクトイオンスキャンという言葉は一般用語としてはあまり使われなくなってきました。三連四重極質量分析計(triple quadrupole mass spectrometer, QqQ-MS)のように、MS2で電圧をスキャンするタイプのMS/MS装置に限定した話としては使っても何ら問題はありませんが。

 

プロダクトイオンスペクトルは、特定のm/z 値をもつイオンが分解して生成した断片化イオンを測定して得られるものです。断片化する前のイオンをプリカーサーイオン、断片化したイオンをプロダクトイオンと呼びます。MS/MSでは、MS1で特定のm/z値をもつプリカーサーイオンを選択し、それをCID等により断片化し、プロダクトイオンをMS2で測定してプロダクトイオンスペクトルが得られます。

ここで、MS1でプリカーサーイオンを選択する方法は、大きく分けて2つあります。1つは自分でm/z値を設定する方法、2つ目はソフトで自動的に選択させる方法です。2つ目の方法をData Dependent Acquisition (DDA) と呼びます。メーカーによっては、Information Dependent Acquisition (IDA) と呼んでいる場合もあります。

自分でプリカーサーイオンのm/z値を設定する場合、当然ですが、設定する時には目的のプリカーサーイオンのm/z値が分かっている必要があります。つまり、試料をマススペクトル取得モードで予め測定しておく必要があります。しかし、貴重な試料の場合、何度も測定することは困難ですし、時間の節約という意味でも、一度の測定でマススペクトルとプロダクトイオンスペクトルの両方を取得したいという要求があり、それに応えたのがDDAです。DDAは、最近のMS/MS可能な装置には殆ど搭載されている機能です。

 

ここでは、前回のブログに書いた通り、DDAでのパラメーター設定について基本的な考え方を解説します。

 

先ず、自動的にプリカーサーイオンを選択する時のトリガーになるのは、イオンの強度(閾値)です。図1DDAの概念図を示します。基本的な考え方としては、溶離液だけがイオン源に導入されている時に得られるマススペクトル上に観測されるイオン強度よりも少し高い値を閾値として設定します。図1では1000が設定されています。すると、カラムから何も試料成分が溶出していない時はマススペクトルを取得し続け、カラムから試料成分が溶出してイオン源に導入され、それがイオン化されて閾値より高いイオン強度を示した時、そのイオンをプリカーサーイオンとして選択してCID等により開裂させ、プロダクトイオンスペクトルが取得されます。

 DDA-1

1 DDAの基本概念図

 

次に重要になるのが、1つのイオンを何回プリカーサーイオンとして選択させるかということです。これは、Dynamic Exclusionという機能の1つになります。そして、この機能は、高分解能質量分析計か低分解能質量分析計かによって設定するパラメーターが変わります。ここでは、高分解能質量分析計の場合で説明します。例えば、図2に示すように、測定開始後1分に、モノアイソトピック質量300.0000という化合物(成分①)がカラムから溶出し、そのプロトン付加分子としてm/z 301.0073というイオンが閾値を超えて、プロダクトイオンスペクトルが取得されました。このイオン強度が閾値を超えたのは、ピークの立ち上がり部分なので、この後も暫くの間m/z 301.0073イオンは観測され続けます。ここでDynamic Exclusionの設定をしていないと、m/z 301.0073イオンが高い強度を保っている間、ずっとこのイオンのプロダクトイオンスペクトルが取得され続けることになります。図2のように、成分①の直ぐ後ろに成分②(m/z 371.1234)が溶出したとして、その強度が成分①のイオンより小さければ、m/z 371.1234はプリカーサーイオンとして選択されないことになってしまいます。

これを回避する方法の1つがDynamic Exclusionで、一度プリカーサーイオンとして選択されたイオンを一定時間候補から外す(Excludeする)という機能です。他の方法としては、1度に選択させるプリカーサーイオンを複数設定することです。上記の例であれば、Dynamic Exclusionの設定をしていなくても、1度に選択させるプリカーサーイオンを、強度の高い順に2つと設定しておけば、成分①,②両方のイオンのプロダクトイオンスペクトルが取得されます。

DDA-2 

2 Dynamic Exclusionの設定

 

1度に選択させるプリカーサーイオンの数は、クロマトグラムのピーク幅と装置のスペクトル取得速度に関係してきます。1つのマススペクトルに対して、閾値を超えたイオンの中からプリカーサーイオンが選択されますので、選択させるプリカーサーイオン数を例えば10と設定すれば、マススペクトルを取得した後、(閾値を超えた)強度の高い順に10個のプリカーサーイオンのプロダクトイオンスペクトルを取得し、その後新しいマススペクトルを取得することになります。スペクトル取得速度の遅い装置でこのような設定をしてしまうと、10個のプロダクトイオンを取得している間に次の成分がカラムを溶出してイオン源に導入されてしまうというような問題が起こってしまいます。

 

また、同じプリカーサーイオンを何回続けて選択するかという設定もあります。これを余り多く設定するのは意味がないと思います。

 

Exclusionの設定は、Dynamic Exclusion以外にも、予めプリカーサーイオン選択の候補から外すm/z値をリストとして登録しておく機能があります。これは、溶離液への添加剤や、溶離液や容器へのコンタミの影響等によって高強度のバックグラウンドイオンが常に観測されている状況で使用します。高強度のバックグラウンドイオンが常に観測されている場合、プリカーサーイオンを自動選択させるための閾値は、そのバックグラウンドイオンの強度より低く設定する必要があり、そうすると、そのバックグラウンドイオンが優先的にプリカーサーイオンとして選択されてしまいます。Exclusionリストに予め登録しておくことで、不要なプリカーサーイオンが選択されてしまうリスクが軽減されます。

 

Dynamic Exclusionで一度プリカーサーイオンとして選択されたイオンを一定時間候補から外す機能については、その時間設定が重要です。理由は2つ。1つ目の理由は、異性体が存在する可能性です。異性体は、基本的には全く同じm/z 値のイオンが生成するので、候補から外す時間を長くし過ぎると、その間に異性体が溶出し、そのイオンがプリカーサーイオンとして選択されなくなってしまいます。天然物や代謝物には異性体が多いので、この設定は重要です。2つ目の理由は、閾値との関係なのですが、閾値を低めに設定しておくと、クロマトグラムの立ち上がりの強度がまだ低いところでプロダクトイオンスペクトルが取得されます。プリカーサーイオン強度が十分でないため、S/Nの低いプロダクトイオンスペクトルが得られてしまう可能性が高いです。できれば、ピークトップの付近でプリカーサーイオンが選択されるのが理想的です。このような場合には、クロマトグラムピーク内で複数回同じプリカーサーイオンが選択されるように、候補から外す時間を短く設定することが有効です。ソフトによっては、ピークトップ付近でプロダクトイオンスペクトルが取得されるようなパラメーターが供えられたものもあります。

 

高分解能質量分析計を用いる場合、小さなm/z値の差を識別することが出来ますので、Dynamic Exclusionの設定において、一度選択されたプリカーサーイオンと近いm/z 値のイオンが観測された時、それらを同一のm/z値と見なすか否かという設定も必要です。そのためのWindow幅も通常Dynamic Exclusionのパラメーターにあります。この設定は、QqQ-MSIT-MSにはありません。

 

さらに、低分子化合物のプロトン付加分子や脱プロトン分子等においては、通常モノアイソトープピークの強度が最も高く、次いで13C1つ入ったピーク、13Cが2つ入ったピークという強度順にイオンが観測されます。殆どの場合、モノアイソトープピークのプロダクトイオンが取得されれば十分であり、13Cが入った同位体ピークのプロダクトイオンスペクトルは必要ありません。しかし、例えば成分A由来のイオンの同位体ピークがプリカ―サーイオンとして選択されてExcludeリストに入った後、成分Bがすぐ後ろに溶出し、そのイオンの強度が成分Aの同位体ピークより小さい場合、成分Aの同位体イオンのプロダクトイオンスペクトルが取得されてしまいます。このような状況は、低分子化合物の中でも比較的分子量が大きい(炭素数の多い)化合物が成分Aである場合に起こり易いと言えます。また、この問題を回避するため、同位体ピークは無条件で除外するという設定が可能なソフトがあります。

 

DDAで試料中の含有成分を如何に洩れなく拾ってプロダクトイオンスペクトルを取得するかは、Dynamic Exclusionの設定によるところが大きいと言えますが、どんなに上手く設定しても、必ず全ての成分由来のイオンをプリカーサーイオンとして選択させプロダクトイオンスペクトルを得られる訳ではありません。DDAは有用な機能であり、私自身仕事で頻繁に使いますが、DDAにも弱点があり、それに対応するための他の機能があるので、別の機会に紹介して考えてみようと思います。

 

LC/MSに関するコンサルティングや技術指導のご依頼は複数頂いておりますが、中でも高分解能LC/MS/MSを用いた未知化合物の構造推定に関する技術指導は最もご好評頂いております。ご依頼等は、ホームページの問い合わせからお願いします。

 

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LC/MS技術指導:マススペクトルの解釈とData Dependent Acquisitionの設定

年末に、初めてのお客様からのご依頼により、LC/MSの技術指導を行ってきました。都内のある企業の分析室です。

 

装置は、低分解能でMS/MSが可能な機種。ここ1年程の間に導入され、担当者がメーカーエンジニアによるトレーニングを受けて使用されており、実際の試料やそれに含まれているであろう標品などを測定していました。定性分析・定量分析どちらにも使っていますが、主には定性分析に使っているとのこと

 

LC/MSで定性分析を行うためには、先ずはマススペクトルの解釈が出来ないと始まりません。実際、担当者の方もそれがよく分からずに苦労されていたようでした。メーカーのトレーニングではそこまでは教えてくれないようですね。イオン源は専らESIを使っていて、ESIで得られるマススペクトルの解釈には、何といっても生成し易い付加イオンを頭に入れておくことが重要です。この記事にその辺りのことが書いてあります。

 

また、MS/MSにより得られるプロダクトイオンスペクトルの解析も重要ですが、残念ながら低分解能装置では得られる情報は極限られてきます。全くの未知化合物の場合、殆ど手が出ないですね。このお客様の場合、試料中の未知成分でも標品との部分構造の変化程度とこことで、低分解能のMS/MSでも解析可能である場合が多いようでした。標品のMS/MS測定は結構進んでいるようでしたので、それをデータベース化するように提案しておきました。

 

MS/MS測定にはData Dependent Acquisition (DDA)を用いていましたが、そのパラメーター設定がデフォルトのままでした。DDAのパラメーター設定は、デフォルトでもそこそこデータは得られますが、残念ながら十分とは言えません。機種に依存するのですが、このお客様の場合にも、デフォルト設定ではかなり取りこぼしがありました。今回の技術指導では、結果としてDDAの最適化にかなりの時間を割きました。DDAのパラメーター設定の重要なポイントについて、以前ブログで書いたような気がしたのですが、確認した限り書いていなかったようなので、次の機会に書いてみようと思います。重要なポイントは幾つかありますが、主なものは“プリカーサーイオンを選択する時の閾値”、“繰り返し回数”、“プリカーサーイオンを選択する時のm/z幅”、Dynamic Exclusionの設定“などでしょう。

 

丸一日かけてみっちり指導したので、この担当者はかなりレベルが上がったと思います。試料前処理についても全く問題がなかった訳ではありませんでしたが、現状の分析目的においては大きな問題になることはないと思ったので、そのことを伝えるにとどめました。

 

このお客様のように、エンジニアによるトレーニングだけ受けて、デフォルト設定でそこそこ使えるに留まっているエンドユーザーは相当数いると思われます。折角高価な装置を使っているのだから、もっと装置自体や分析法について深く習得して、より良い分析ができる人が増えると良いと思うし、その手伝いをもっと出来るように“質量分析屋”としての知名度を上げていく必要があると思います。

 

 

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2018年初日の出ランと今年の挑戦

明けましておめでとうございます。お正月はどのように過ごされているでしょうか?

私の2018年は、ラン友さん達と一緒に、多摩湖1周初日の出ランから始めました。いつものランコース、狭山公園脇にある氷川神社で初詣、焚火にあたりならが甘酒をご馳走になり、堤防の上から初日の出を見て、その後は多摩湖一周ラン。穏やかに晴れた元旦、東の空に昇ってくる初日の出に新たな年の挑戦を想いました。

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多摩湖堤防から見た初日の出と朝陽を浴びてオレンジ色に輝く富士山

 

 

2018年は勝負の年に!

 

会社としては、昨年発売を始めたLC/MS用オンライン脱塩技術である“ソルナック”の拡販。現在は、汎用HPLC(移動相流量0.81.0 L/min)向けに詰め替えタイプの“ソルナックカートリッジ”、セミミクロHPLC(移動相流量0.20.4 L/min)向けにディスポタイプの“ソルナックチューブ“、12本のカートリッジあるいはチューブを接続して連続測定に対応した”e-ソルナック“のラインナップです。今年の4月頃の市場導入を目標に、汎用HPLC向けにもディスポタイプのソルナックチューブを開発中です。更に、現在のe-ソルナックでは連続で分析できる検体数が少なすぎるというご意見を様々な方から頂いているので、100検体程度の連続分析に対応する新しいe-ソルナックを開発予定です。こちらも、春頃にはプロトタイプを試作予定で、プロトタイプを製造原価近くで購入して評価して頂けるお客様をこれから探していきます。

 

ソルナック関連製品の開発と販売に関しては、今年を勝負の年と位置付けて考えています。その他、新しいイオン源の開発にも昨年以上に力を入れていきます。

 

プライベートでは、何といっても野辺山100 kmウルトラマラソン3回目の完走!

2012年から挑戦している野辺山100 kmウルトラマラソン、2014年に初完走、続く2015年も完走、このまま安定して完走できるかと思いきや、2016年、2017年は続けて途中リタイア。今年は、何としても3回目の完走を成し遂げたいと思っています。その他、家族対応、少年サッカー、ソフトボール、地域ボランティア活動、スキーなどは例年通り。

 

もう一つ、重要事項として考えているのは、昨年末から書き始めたエンディングノートの充実です。まだ51歳ですが、一日一日確実に死に向かって時は進んでいます。また、何かの拍子に突然死が訪れないとも限りません。昨年の父の死も結構突然だったし、昨年秋にエイドステーションでボランティアをしていたマラソン大会では、選手が死亡するという事故がありました。トライアスロンでも(ここ数年は出場していませんが)、毎年のようにどこかの大会でスイム中に死亡事故があります。

 

ウルトラマラソンやトライアスロンって、死に対してはかなりリスキーだし、交通事故等に巻き込まれる可能性もゼロではありません。

 

いつ死んでも悔いが残らないように、一日一日を大切に生きる。

 

何年か前から意識はしていてもなかなか実践できませんが、ダラダラと過ごしてしまう日を一日でも少なくするように、今年は更に意識を強くして日々を過ごそうと思います。

 

仕事でもプライベートでも、昨年以上に頑張ります。関わってくれる皆さん、今年も宜しくお願いします。

 

 

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2017年を振り返って

2017年ももう直ぐ終わりですね!

                                                                                    

今年は仕事でも私生活でも大きな変化があった年でした。

 

20106月に日本電子を退職、同9月にエムエス・ソリューションズを設立して昨年まで6年間、一人で会社を運営してきましたが、今年の1月に元富士フィルムファインケミカルズの清水氏を役員として迎え、二人体制になりました。従来のLC/MSコンサルティングの仕事に加え、LC/MSで使用するオンライン前処理技術“ソルナック”を事業化しました。まだ知名度は低いですし、汎用的な技術という訳でもありませんが、LC/MSで従来使用できなかった移動相条件が使えるようになる、世界初の技術です。製薬企業様を中心に、少しずつお客様が増えてきています。LC/MSで役に立つ技術なので、来年はもっと多くのLCユーザー、LC/MSユーザーの皆様に知って頂けるように努力していきます。

 

LC/MSに関するコンサルティングや技術指導のご依頼は、浮き沈みはありますが新規のお客様も増え、まずまず順調です。現場での作業の後、お客様に感謝の言葉を言われると、会社の運営では厳しいことが多いものの、この仕事をやって良かったと思います。サラリーマンの時には得られなかった充実感を覚えることが多々あります。

 

さて、年が明けて少しすると、父が亡くなって1年が経ちます。家で転んで骨折、入院中に誤飲が原因で肺炎になり、そのまま回復することなく逝ってしまいました。親が子供より先に逝くことは自然の摂理なので、私は父の死を冷静に受け止めることが出来ました。科学者であることも影響していると思います。悲しむよりも、前を向いて自分の道を歩むことが父の供養になると思いました。

 

2017年もよく走った1年になりました。GPSウォッチ記録によると、1年間の走距離は約2500kmでした。2016年が約3000kmでしたから、昨年には及びませんでしたが...

富士見楽走会のメンバーを中心に、大会や練習会で沢山の仲間と楽しく走れました。怪我をしてまともに走れなかった時期もありましたが、父を亡くした年だからこそ、健康で元気に走れる喜びを多いに感じました。目標にしていた野辺山100kmウルトラマラソンの3回目の完走は果たせませんでした。来年こそはやり遂げます!

 

仕事、家族ぐるみでの付き合い、ラン、ソフトボール、少年サッカー、青少対などのボランティア活動、などなど、様々な場面で多くの方にお世話になりました。皆さま、良いお年をお迎えください。

 

 

 

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