質量分析コンサルティング 

質量分析では絶対定量は不可能です。

以前、「質量分析では¨絶対定量¨は出来ませんよ」と言う内容のブログを書きましたが、最近また質量分析関係の集まりでこの言葉を使っている人がいたので、

もう一度書いておこうと思います。

 

質量分析(LC/MSやGC/MS)を用いて、試料中の分析種(分析対象化合物)の絶対量や濃度を測ることを絶対定量、マススペクトルなどで強度を比較してどちらが何倍大きいなどと言うのを相対定量、と言う人が結構います。

 

しかしこの考え方は、分析化学的には正しくないです。

 

分析化学では、絶対量を測るかどうかに関わらず、量や濃度が既知の標品と試料のシグナル強度を比較する方法は相対定量、比較対象を必要とせず絶対量を測る方法が絶対定量です。

 

LC(UVでも蛍光でも)を用いる定量や比色法などは相対定量です。

電子天秤で重量を計る、メスシリンダーで液体の体積を計る、物差しで長さを測る、などが絶対定量になります。

 

質量分析はイオン化を必要とする分析化学です。イオン化の効率は化合物の性質によって異なるので、絶対量や濃度を測る時には、標品とのシグナル強度の比較が必要で、これは相対定量になります。

 

質量分析での絶対定量は、原理的に不可能です。

 

用語の定義って必要だし、用語を正しく使うことも重要です。

 

質量分析は分析化学の一種なので、基本的な用語や定義は分析化学に合わせるべきだと思います。

 

 

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エムエス・ソリューションズ株式会社
代表取締役 髙橋 豊
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