横浜市立大学でのZoom質量分析講義終了! 最終回はマススペクトル解析

少し前のブログで書きましたが、例年行っている横浜市立大学での質量分析の実習&講義が今年は新型コロナの影響でZoomを使って行い事になり、今日私の担当が終了しました。最終回の今日は、マススペクトルの解析。7種類の物質を準備して、例年は学生くん達に自ら測定して貰うのですが、今回はそれが出来ないので、昨年の学生くん達が測定したデータを使って、解析の説明をしました。

 

一例として、アントラセンのマススペクトルを以下に示します。

Anthracene

 

アントラセンの分子式はC14H10、ノミナル質量は178です。装置はMALDI-TOFMS、マトリックスは使わず、アントラセンの溶液を直接MALDIのターゲットプレートに滴下、乾燥・結晶化を経て、337 nmの窒素レーザーを使ってイオン化しました。アントラセン分子自身がこの波長の光を吸収して励起し、分子中の電子を1個放出してイオンになります。電子の質量は水素原子の質量の約1/2000なので、元の分子の質量と電子が1個取れたイオンの質量は殆ど変化せず、m/z が約178のイオンが検出されます。

m/z 179は、14個の炭素のうちの1個が同位体である13Cに置き換わった分子から電子が1つ取れたイオンで、13Cの天然存在比が約1.07%であるために、m/z 179の相対強度はアントラセン分子に含まれる炭素の数にほぼ等しくなります。

 

この様な事を、他の測定試料についてもつらつらと説明し、レポート課題を出して終了しました。今日も、解説中に10名程の学生くん達に色々と質問しましたが、みんな大体真面目に聞いていたみたいですね。まぁ、質問の内容は結構難しいので、すらすらと答えられる人はなかなか居ませんが、呼びかけても応答がない、つまりは繋ぎっぱなしで何処かへ行ってしまっている人はどうやら居なかったようです。こちらから呼びかけると、全員直ぐに返事を返してきました。

 

まぁ、私は一方的に話すだけでなく、指名して質問するのは皆さん分かっているので、途中で離席する人はいないでしょうけど。さて、私をこの講義の担当に推薦してくれた教授が今年度一杯で退官される予定で、この講義も今年度で終了するらしいと言う話を聞いています。正式には分かりませんが、無くなるとちょっと寂しくはなりますね。大変な事もありましたが、結構楽しかったので。

 

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エムエス・ソリューションズ株式会社
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