LC/MSにおけるバックグラウンドイオン

天然物のLC/MSに関する共同研究&技術指導(条件検討を私主導で行いつつ技術指導も併せて行う)で、月に1~2回訪問している企業様のところで、比較的大きなm/zのバックグラウンドイオンが高強度で観測されるという問題が発生しました。

 

分析時間中絶えず観測されていて、後半に強度が減少していることから、水系移動相あるいはポンプやラインが 汚染されている可能性が高いと判断して移動相を調製する手順を、ラボで見せて頂きました。

 

溶媒ボトルを洗浄する最終工程で、洗ビンに入れた溶媒で洗って乾燥機に入れているとのこと。

 

この2つの工程は、LC/MSとしては完全に❌です。溶媒はその種類に依らず、洗ビンに入れた瞬間から汚染されます。溶媒ボトルから直接使うようにしましょう。乾燥機に入れるのも不要です。乾燥機内での汚染が心配です。

 

私は、超純粋、HPLC用メタノール、HPLC用アセトニトリル等で洗浄して、そのまま使います。

 

一旦LC/MS用メタノールで水側ポンプ&ラインを洗浄し、再調整して貰った溶媒を使ったら、バックグラウンドイオン強度が減少しました。しかし、依然として高い強度だったので、主原因は他にあるようです。

 

この日は、200検体程測定しなければならない試料があったので、それ以上の改善はできませんでした。

 

LC/MSにおいてバックグラウンドイオンは避けられませんが、極端に高強度のバックグラウンドイオンはイオンサプレッションの原因になりますし、データのS/Nを低下させます。特に、日頃使っている移動相とカラムで、普段見ないバックグラウンドイオンが観測されたら、移動相溶媒や容器の汚染を疑ってみましょう。

 

LC/MSを定量分析に使っている人は、専らSIMやSRMのクロマトグラムを見ると言うケースが多いようですが、バックグラウンドイオン強度がクロマトグラムのS/Nに影響を与えることは多々あるので、定量分析でも、測定前にはバックグラウンドイオンを確認した方が良いです。

 

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