第67回質量分析総合討論会

明日515日~17日まで、つくば国際会議場において、67回質量分析総合討論会が開催されます。この会は、日本の質量分析関係の学術集会としては最大のものです。質量分析計やアプリケーションに関連する多くの企業、大学、研究機関から沢山の人達が参加します。

 

私は群馬高専の5年生で、田島進先生の研究室に入った事から質量分析の世界に飛び込みましたが、その年に早速この会には参加し、それ以来記憶が正しければ、一度も欠かさず参加しています。と言う事で、今回は33回目の参加になると思います。

 

この業界の知り合いの多くは、日本電子に勤めていた時からの付き合いですが、同窓会のようで毎年楽しみにしています。もちろん、仕事上でも本会は重要な位置づけです。

 

今年は、2件のポスター発表に名前を連ねています。

 

1つ目は初日の午後(1P-14)、エムエス・ソリューションズで開発している脱塩チューブを使った、不揮発性イオン対試薬によるLC/MSの応用例を紹介します。

2つ目は3日目の午後(3P-16)、浜松医科大の研究サポートとして行った、DESI用のエミッターチップ試作に関する内容紹介です。これは、エムエス・ソリューションズとプレッパーズ両方の会社として関わっています。

 

ご興味ある方は見に来て下さい。

 

 

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エムエス・ソリューションズ株式会社
代表取締役 髙橋 豊
E-mail: tyutaka@ms-solutions.jp
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日本メディカルAI学会学術集会

今日と明日は、このイベントに参加しています。

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今共同研究している大学がこっち系(医療)なので! AIArtificial Intelligence(人工知能)の略。全くの専門外なのですが、今回のイベントに参加するにあたって学会にも入会しちゃって、ついでに少し勉強しているのですが

 

いやいや、難しいです (>_<)

微分とか線形代数とか、大昔に数学でやりましたが、理解できずに途中で諦めた内容達。

当然ですが、今勉強してもチンプンカンプンです

 

冷蔵庫やロボット掃除機などの家電製品にも使われ始めている技術ですが、医療系では、診断使われるMRI画像の解析等々に使われ始めているようです。私の専門である質量分析でも、マススペクトル解析支援ツールの解析等では、AIが使われ始めています。

 

これから、社会の色々な場面でAIが使われるようになりますね。便利になりますが、私はやはりアナログの部分は残しておきたい派です。明日も頑張って聴きに行きます!

 

 

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日本ウォーターズのMSフォーラムに参加してきました

先週木曜日(1025日)、日本ウォーターズ株式会社のMSフォーラムに参加して来ました。午前中の全体セッションでは、お世話になっている横浜市立大の高山先生がご講演されました。午後のパラレルセッションは“バイオメディカルリサーチ”を選択。こちらも演者の人達は全員顔見知りでしたが、全員の仕事内容を詳細に知っている訳ではないので、彼らの研究内容を改めて知る事が出来て良かったです。

 

 

エムエス・ソリューションズを設立して今の質量分析コンサルタントとしての仕事を始めてから、前職である日本電子以外の質量分析計を自分で触る機会が多々あります。ウォーターズ社の装置はもちろん、他のメーカーさんの装置も、お客様のところに伺った時に、コンサルティングをする上で必要に応じて自分で操作します。

 

お金がないので自分で装置を買う事は出来ませんが、ウォーターズさんは他のユーザーの方と同様にこの様なイベントに特に制限なしに受け入れてくれるので、とても有難いです。と言うのも、例年複数のMSメーカーさんの同種のイベントに申込みするのですが、今年はもう一社参加を申し込んでいた他MSメーカーさんでは、一旦は参加申し込みを受け付けてくれましたが、後に“申込み者数が定員を超えたので装置購入実績が無い方はご遠慮頂きます”と言う旨のメールと共にキャンセルされてしまいました。

 

この様なイベントは、参加者が一人増えればそれ相応にお金がかかるので、ビジネスを考えれば妥当な対応です。一方、ウォーターズさんでは、今回の参加者は当初予定した定員をオーバーしていたにも拘らず、装置購入実績が無いのに断られる事もなく、他の参加者の方と同等の扱いをしてくれ、懐の大きさに感激しました。

 

そして、今回はとても嬉しい事がありました。

 

休憩時間にコーヒーを飲んでいた時の事、後ろから声を掛けられて振り返ると、以前共同研究で農工大に通っていた時に学生で研究室にいた女性でした。確か、2, 3年年前に修士を出たのではなかったかな? 聞けば、就職した会社で分析の業務をしていて、LCLC/MSを使っているとのこと。仕事で色々な大学に出入りしていますが、そこで会った学生が就職してから、仕事で再会するのってとても嬉しいです。今回会った子も、すっかり社会人っぽくなっていました。

 

ウォーターズ社製のQ-TOFMSMS/MSのソフトで少し好きではない部分があるのですが、今メインで仕事を受けているお客様のところで使っている装置がウォーターズ社製のQ-TOFMSなので、今後もウォーターズ社の装置と上手く付き合っていきたいですね。

 

 

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今日からBMSコンファレンス

今日から金曜日まで、東京第一ホテル岩沼リゾートで第45回BMSコンファレンスが開催されます。岩沼市って聞いたこと無かったですが、仙台市から南に20 km位下った所にあります。BMSとは、Biological Mass Spectrometryの略で、質量分析が用いられている様々な分野の中で、かなり長い間最もアクティブに研究されています。所謂ヒトの生体に関連した研究に質量分析を用いるもので、BMSコンファレンスには、製薬企業や大学の研究者が大勢参加されます。

私は、日本電子在職中からこのイベントには毎年の様に参加していました。エムエス・ソリューションズを設立してからは、横浜市立大で非常勤の仕事が4~7月の毎週月曜日にあり、BMSコンファレンスの会期に月曜日が入る事が多いので、ここ数年は参加できませんでした。今回は水~金の日程なので、久しぶりに参加できます。

今日の夜に、今研究しているイオン化法に関するポスター発表を行います。明日は、代理店のアルテア技研㈱様が申し込んでくれた新技術発表で、LC/MS用オンライン脱塩チューブ”ソルナックチューブ”の紹介をします。沢山の人とディスカッションして帰りたいと思います。

 

 

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第66回質量分析総合討論会参加_軟X線重畳ESIに関するポスター発表

66回質量分析総合討論会が、5/15173日間、大阪のホテル阪急エキスポパークにおいて開催されました。今年はプロテオーム学会年会との共同開催であり、プロテオーム学会にも参加する場合は4日間でした。参加者は、800名を少し超えた程度だったようです。

 

私は群馬高専の卒業研究で質量分析を始めて以来、すっと質量分析学会の会員です。今の会社を設立してからは、学会への参加は費用対効果を常に考慮し、それが低いと思われる場合には参加を見合わせています。前職の時には、質量分析総合討論会、BMSコンファレンス、医用MS学会、分析化学会年会、分析化学討論会、薬学会、液体クロマトグラフィー研究懇談会(略LC懇、年に10回開催)など、大小含めて年に10回以上学会等に参加していました。今は、毎年必ず参加するのは、今回の質量分析総合討論会とLC懇に2-3回のみになっています。

 

今回の討論会では、ポスター発表を2件行いました。ここでは、その1件、初日に行った「軟X線重畳ESIによるイオン化の基礎検討」についてご紹介します。

 

X線重畳ESIとは、コンベンショナルESIで生成した帯電液滴に軟X線(平均波長帯0.25 nm)を重畳照射する新しいLC/MSイオン化法です。ESIでイオン化し難いある種の低極性化合物に対して、軟X線を重畳する事でイオン化効率の向上が認められています。図1は、軟X線重畳ESIの概念図です。

ESI+X_source

 

この技術、オリジナルは他の会社なのですが、その会社で開発を継続する予定が無いと言う事で、私の会社が協力して開発を進めています。とは言えこちらは役員2人だけの超零細企業、実験用のLC-MSを持っていませんし、開発費も無いですから、その会社のLC-MSのスケジュールが空いている時に、年に数回装置を借りて実験を継続しています。

 

討論会では、以下に示す6種類の化合物について、ESIのみ(上段)、ESI+X線(中段)、軟X線のみ(下段)の比較データを示しましたが、ここでは、1,2-benzanthraquinone, 2-methyl hexanone, progesterone3化合物のデータを示します。

ESI+X_Data_1,2-benzanthraquinone

ESI+X_Data_2-methyl cyclohexanone

ESI+X_Data_progesterone

何れの化合物においても、ESIのみ及び軟X線のみに比べて、 ESI+X線では、試料化合物の[M+H]+強度が著しく増加している事が分かります。progesteroneは特に顕著で、ESIでは全く分析種由来のイオンが観測されていませんがESI+X線(および軟X線)では、[M+H]+および[M+H+aceton]+が顕著に観測されています。現在までの実験では、>C=O以外の極性基を持たないカルボニル化合物に、ESI+X線のイオン化効率向上の効果が認められています。

 

X線光源からの光は、その性質から溶離液である水やメタノールに吸収されると考えられます。水が光を吸収して励起されたH3O+が生成し、ESIではイオン化されなかった分析種分子に対してプロトン供与する働きをしていると考えられます。

 

尚、ペプチドや多くの医薬品など、ESIのみで十分に高いイオン化効率を示す化合物群に対しては、軟X線重畳の効果はありません。また、軟X線重畳によって、ESIで生成したイオンに熱分解等の負の影響が全くでない事が確認されています。

 

どんな構造の化合物に効果があるのか、まだまだ実証実験が全く足りていません。共同研究のような形で、ある程度定期的にこのイオン源を装着してLC-MSを使わせて頂ける機関、あるいはイオン源の評価をしてくれる企業様等を探しています。

 

ご興味ある方は、ホームページのお問合せからご連絡をお願いします。

 

 

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原稿査読で著者にどこまで修正を依頼すべきか

もう20年近く前から役員に名を連ねている液体クロマトグラフィー研究懇談会(略して液クロ懇、日本分析化学会の下部組織)では、もう10年以上前から、毎年(多い時には年に2回)HPLCLC/MSに関する専門書を編集・発刊しています。執筆とその原稿の査読に関わる人の多くは、私を含めた役員達です(執筆者は外部の場合あり)。先週も、今秋~来年辺りに発刊される専門書の査読会が行われました。私は7名の執筆者の1人であり、査読会にも参加し、他の執筆者の原稿を査読しました。

 

今まで液クロ懇で編集してきた書籍達は、こちらからご覧頂けます。

 

査読で重要のポイントは以下の4点だと思います。

  1. 学術的、理論的に間違っている記述内容がないか。
  2. 日本語として成り立っていない文章はないか(文法的に問題はないか)。
  3. 読みにくい構成になっていないか。
  4. “てにをは”の使い方はおかしくないか

 

1人分の原稿を複数名の人がグループになって査読し、これらに当てはまる内容が原稿に見つかった場合、グループの代表者が著者に修正を依頼します。

 

1に関しては最も重要で、専門書に間違った記述があれば大問題なので、少なくとも現状(査読をする時点)で正しいと一般的に考えられている内容を書く必要があります。液クロ懇役員では、MS(質量分析)の専門化は少数(役員の5 %以下)なので、MSに関する記述に関しては、私が特に細かくチェックする様に心掛けています。

 

2については、口語的に文章を書いてしまうと主語が抜けてしまうなど、日常的に不特定多数の人向けの文章を書きなれていない人は、文法的に問題のある文章を書いてしまうことがあります。日本語の会話は主語がなくても成立してしまうので、口語的に文章を書く癖がついてしまっている人は、なかなかこの問題は無くならないですね。

 

3については、改行したり段落を変えたりせず、あるいは適宜図を入れるなどの工夫をせずにダラダラと長い文章を書いてしまう等、読みにくい文章構成になってしまっている原稿の事です。

 

4については2や3とも関係しますが、書いている本人は以外と気づかないことが多く、複数名で査読して修正意見を出す事が重要だと思います。

 

これら4点については、査読段階で可能な限り漏れが無い様にチェックする必要があります。

 

一方で、これらに当てはまらない内容、“間違えでは無いし特に大きな問題では無いけど、こう言う書き方の方が好きだから修正して!”みたいな、つまり個人的な好みで著者に対して修正意見を出す事は、私は著者のオリジナリティーを無視する事にもなる可能性があるので、査読者としてはやらない方が良い行為だと思っています。でも、こう言う事をやる人って、実は結構います。良いか悪いかは別にして、私は“書籍の質に問題の無い範囲であれば著者のオリジナリティーは大切にするべき”と考えています。“例え小さな文言1つであっても”です。

 

これは、今回の査読会で私の原稿に対して出てきた修正意見の一例ですが...

「帯電液滴生成のためには、試料は...に溶解する必要がある。」

から

「帯電液滴の生成には、試料は...に溶解する必要がある。」

と言う文章に修正して欲しいという依頼がありました。

 

これ、勿論修正意見が悪いとは思いませんが、私的にはどっちでも大差無いと思います。どっちに転んでも大差無い、大して重要で無い修正を要求してくる査読者って、私としてはナンセンスだと思います。私は、この様な査読意見は絶対に出しません!!

 

まぁ、“こう言う書き方もあるんだなぁ”と普段は自分では書かない文章を認識できる機会が得られるので良い面もあるのですが、“こんなのどっちでも変わらないじゃん!”とチョッとだけ頭にカチンと来る場合もあります。

 

こう言う事って、会社等の組織内でも結構起こりますよね。私も以前勤めていた会社で、私が書いた文書に対して、上司から今回と似たような指摘をされた記憶が数えきれない程あります。本人のために良かれと思った指摘が、自分の好みを相手に押し付けるだけって事も有り得ます。

 

著者のオリジナリティーを大切にする意識をもつこと

 

私は重要だと思います。

 

 

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