質量分析コンサルティング

株式会社情報機構MS入門セミナー講師割引

少し前のブログに書いた通り、7月23日に株式会社情報機構様が主催するセミナー(質量分析(MS)入門)で講師を務めます。

 

主催者から講師割引用の申込書が送られてきたので、貼っておきます。参加される方は是非ご活用下さい。

情報機構セミナー_MS入門_講師割引申込書

 

この申込書をPDFで必要な方は、ホームページの問い合わせからメール頂ければお送り致します。

 

 

 

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エムエス・ソリューションズ株式会社
代表取締役 髙橋 豊
E-mail: tyutaka@ms-solutions.jp
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質量分析では絶対定量は不可能です。

以前、「質量分析では¨絶対定量¨は出来ませんよ」と言う内容のブログを書きましたが、最近また質量分析関係の集まりでこの言葉を使っている人がいたので、

もう一度書いておこうと思います。

 

質量分析(LC/MSやGC/MS)を用いて、試料中の分析種(分析対象化合物)の絶対量や濃度を測ることを絶対定量、マススペクトルなどで強度を比較してどちらが何倍大きいなどと言うのを相対定量、と言う人が結構います。

 

しかしこの考え方は、分析化学的には正しくないです。

 

分析化学では、絶対量を測るかどうかに関わらず、量や濃度が既知の標品と試料のシグナル強度を比較する方法は相対定量、比較対象を必要とせず絶対量を測る方法が絶対定量です。

 

LC(UVでも蛍光でも)を用いる定量や比色法などは相対定量です。

電子天秤で重量を計る、メスシリンダーで液体の体積を計る、物差しで長さを測る、などが絶対定量になります。

 

質量分析はイオン化を必要とする分析化学です。イオン化の効率は化合物の性質によって異なるので、絶対量や濃度を測る時には、標品とのシグナル強度の比較が必要で、これは相対定量になります。

 

質量分析での絶対定量は、原理的に不可能です。

 

用語の定義って必要だし、用語を正しく使うことも重要です。

 

質量分析は分析化学の一種なので、基本的な用語や定義は分析化学に合わせるべきだと思います。

 

 

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株式会社情報機構様主催_MS入門セミナー決定!

昨年の11月に、株式会社情報機構様が主催するMS定量分析セミナーで講師を務めました。

中々好評だったようで、第二弾の打診があり、7月23日に開催が決定しました。

テーマは”質量分析入門”です。基本的なところから、正しい内容をしっかり伝えます。

 

 

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同じ企業の違う部門からご依頼頂いたLC/MSマススペクトル解析の仕事完!

年明けから、同じ企業の違う部門から同様なLC/MSマススペクトル解析仕事をほぼ同時に2つ頂いたという投稿をしましたが、2週間程前にその片方が完了しました。そして先週、もう片方も完了しました!

 

実際には2か月かけずに両方終わらせましたが、その間解析したマススペクトルの数は1,000近くにのぼりました。かなり解析ソフトの力を借りましたが、それでも結果の妥当性は判断しながら進めましたので、かなり大変な作業でした。現在使えるマススペクトル解析を支援してくれるソフトは、フラグメンテーションに於ける骨格転位などは考慮する事が出来ず、また組成推定の部分についても、少し緩めに設定して解析した方が確からしい構造の候補を見過ごす可能性が低くなるので、所謂False Positiveを含む結果から外れを除いて行くという、解析結果の妥当性を11つ確認してあげる必要があります。

 

ともあれ、今回は良く頑張りました p(^_^)q

この企業の2部門の担当者からは、4月以降も継続してご依頼を頂ける事になりました。新しいベンチャーの仕事もありますが、この企業の仕事は外せません。

 

 

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LC/MSで観測されるシロキサン系化合物由来のバックグランドイオン

LC/MSで頻繁に観測されるバックグランドイオンの代表例は、少し前のこのブログで書いた可塑剤由来のm/z 391, 413イオンですが、他にも色々と知られています。

その1つは、シロキサン由来のイオンです。そのマススペクトルを図1に示します。これは、可塑剤由来のイオンと同様、正イオン検出で観測されます。

シロキサン由来のマススペクトル

図1 シロキサン由来のバックグラウンドイオン

 

 

☆印を付けた4つのピークのm/z差は何れも約74であり、これは(CH3)2SiOに相当します。これらのピークがシロキサン即ちケイ素原子を複数個含む化合物由来である事が判断できる理由は、各ピークの同位体パターンです。最も強度の高いm/z 536イオンはモノアイソトピックピークであり、m/z 537, 538, 539は同位体イオンです。この同位体を含むピーク群は、非常に特徴的な同位体パターンを示しています。それは、m/z 536ピークに対して+1および+2の同位体ピークの相対強度が非常に高い事です。+1は約45%、+2は約30%を示しています。通常の有機化合物の構成元素はC, H, N, O, P, S, Clなどですが、+1の同位体ピーク強度に寄与する元素は主にC、+2の同位体ピークの強度に寄与する元素はSとClです。図のマススペクトルにおいて、+1の強度からCは40個程度、また+2の強度から、Clであれば1個、Sであれば7~8個含まれている事になります。

 

このマススペクトルを測定したのは質量分解能約20,000の高分解能質量分析計であり、ロックマスは使用していませんが、まずまずの質量確度は得られています。その事は、前のブログにも書いたフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)のプロトン付加分子がm/z 391.2865に観測されている事で分かります。このイオンの計算精密質量は391.2843ですから、実測値との誤差は0.0022 Da2.2 ppm)です。つまり、m/z 536イオンについても、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)のイオンと同程度の質量確度で精密質量が観測されていると考えられます。

 

そこで、536.1666m/z値に対して、Cl1つ含むC, H, N, Oで、許容誤差5 ppmで組成推定を行うと、表1の様な結果が得られました。また、S510個含む元素候補で計算させた場合、表2の様になりました。

 

表1 C, H, N, O, Clで計算したm/z 536イオンの分子式

組成推定_mz536-1

 

表2 C, H, N, O, Sで計算したm/z 536イオンの分子式

組成推定_mz536-2

 

それぞれ、Cの数が最も多い候補の元素組成に対して同位体パターンをシミュレーションさせた結果を図2, 3に示します。実測スペクトルに対して+1の同位体ピーク強度が明らかに低い事が分かります。

同位体シミュレーション_含Cl

図2 C26H31NO9Clの同位体シミュレーションスペクトル

 

同位体シミュレーション_含S

図3 C21H46NS7の同位体シミュレーションスペクトル

 

次にSi510個含む元素候補で計算させた結果を表3に示します。

 

表3 C, H, N, O, Siで計算したm/z 536イオンの分子式

組成推定_mz536-3

このイオンがシロキサン由来であるとするなら、Nは含まれない筈ですが、別の測定においてこのイオンは[M+NH4]+である事が分かっていますので、下段の2つが候補としては有力で、それらの同位体シミュレーションは図4, 5のようになります。

同位体シミュレーション_含Si-1

図4 C14H46NO7Si7の同位体シミュレーションスペクトル

 

同位体シミュレーション_含Si-2

図5 C15H42NO10Si5の同位体シミュレーションスペクトル

 

 

4のパターンは、実測スペクトルにかなり近い事が分かりますが、+1, +2の同位体ピーク強度は実測スペクトルより低くなっています。

そこで、図4+1および+2の同位体ピークを拡大したものを図6, 7に示します。

同位体シミュレーション_含Si7_+1  同位体シミュレーション_含Si7_+2

図6 図4のm/z 537ピークの拡大図          図7 図4のm/z 538ピークの拡大図

 

これらは、異なる元素由来の同位体ピークであり、m/z 差からこれらのピークを分離するための質量分解能を計算すると100,000以上になりました。

今回の測定で使用した装置の質量分解能は約20,000ですから、これらの同位体ピークは分離されず1本に集約されてしまっている事になります。

因って、実測スペクトルの+1, +2の同位体ピーク強度が図4のシミュレーションよりも大きい事は妥当であると言えます。

 

これらの事から、図1のマススペクトルで観測されているm/z 536イオンの分子式はC14H46NO7Si7であると推測されます。

そして、その構造は、二重結合を1つもつ図8の様になると推測されます。同位体パターンから様々な知見が得られる事が分かりますね。

 

推定構造_シロキサン_mz536

図8 m/z 536イオンを与える化合物の推定構造

 

なお、これらのシロキサン由来のバックグラウンドイオンは、水/メタノールの移動相でメタノールリッチな条件でよく観測されます。

今までに沢山のクライアント様のLC-MS装置を見てきましたが、概ね80%程度の装置でこのバックグラウンドイオンが観測されているように思います。

 

 

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今年度最大のLC/MS/MSの仕事完了!

と~っても大きな企業様からご依頼頂いた、と~っても大きくて大変なLC/MS/MSのデータ解析の仕事。ここのところ掛かりっきりでしたが、本日無事に納品出来ました v(^_^)v

いやぁ~、頑張りました♪

かなりの部分、ソフトに助けて貰いましたが、

 

この仕事をやりつつも、朝はしっかり走れるように、なんと10日間程禁酒をしています。最近、お酒を飲むと朝起きるのが辛くて...

飲まないと朝スッキリ起きれるので、お酒を飲まない日が続いてしまった...

 

今日は飲まなくてもぐっすり眠れそうなので、明日は久しぶりにビールを飲みたいです。

 

 

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