2017年5月

質量分析計による測定の基本はイオン化にあり:EI編

久しぶりに、質量分析に関する専門的な内容を投稿します。長いのでお時間ある時に読んで頂ければ幸いです。

 

“質量分析”は、日本質量分析学会のマススペクトロメトリー関係用語集によると以下のように定義されています1)

「質量分析計(mass spectrometer)と質量分析器(mass spectrograph)、およびそれらの装置を用いて得られる結果に関するすべてを扱う科学の一分野。」

ピンと来ない部分もある定義ですが、要は“データの解釈”という部分にフォーカスされていて、“データを得る”という部分すなわち“測定”は含まれていないような印象を受けます。しかし、私は、“測定”の部分も当然“質量分析”に含まれて然るべきだと考えます。

 

“質量分析”の基礎・基本で重要なのは、何といってもマススペクトルの解釈であり、特に高分解能マススペクトルの解釈について今まで何度かにわたって書いてきました。今回から数回は、“測定”特に”イオン化”にフォーカスしてネタを書いてみます。

 

質量分析計による測定の基本はイオン化にあります。

 

質量分析は、気相イオンを分析(測定&データ解析)する科学です。今ここに、質量分析したい試料(含有成分)がある時、先ず考えなければならないことは、その試料(含有成分)がイオン化するか否か、複数のイオン化法の中からどのイオン化法を選択すべきか、ということです。ここで、この話を進める前に、イオン化の定義を明確にしておく必要があります。

 

イオン化とは...

Wikipediaでは「電荷的に中性な分子を正または負の電荷をもったイオンとする操作または現象」、またコトバンクでは「電気的に中性の分子や原子が、電子を失うか得るかしてイオンになること」とあります。ここで、イオンになるときに分子内結合の開裂・断片化を伴う場合をイオン化に含めるか否かが問題で、その解釈次第でここでの話は意味が変わってきてしまいます。従ってここでは、分子内結合の開裂を伴う場合はイオン化には含めず、分子が元の分子構造を保ったまま(分子内結合の開裂を伴わず)正あるいは負の電荷をもつ現象をイオン化と呼ぶことにします。ただし、ここで言う“分子構造を保ったまま”の意味は三次元構造ではなく二次元構造です。

 

現在市販されている質量分析計で利用可能なイオン化法は、概ね以下です。

・電子イオン化(electron ionization, EI

・化学イオン化(chemical ionization, CI

・電解脱離法(field desorption, FD

・高速原子衝撃法(fast atom bombardment, FAB

・マトリックス支援レーザー脱離イオン化(matrix assisted laser desorption ionization, MALDI

・エレクトロスプレーイオン化(electrospray ionization, ESI

・大気圧化学イオン化(atmospheric pressure chemical ionization, APCI

・大気圧光イオン化(atmospheric pressure photo ionization, APPI

 

今回は、EIについて考えてみます。EIは、加熱によって試料を気化させる必要があるため、加熱によって気化する性質(揮発性)をもつ試料に対して有効なイオン化法です。

通常、GC/MSで用いられているイオン化法はEIです。試料を質量分析計に導入する方法として、GCカラムを通過させる(混合物をGCカラムで分離してから導入する)方法と、イオン源内で直接気化させる直接導入法がありますが、装置によっては直接導入法が選択できない場合もあります。

 

例えば、未知試料をGCから導入してEIでイオン化し、マススペクトルを取得する場合を想定してみます。試料は、通常溶液状態で注入口に導入され、加熱によって気化した成分がキャリアーガス(ヘリウム)と共にカラムに導入されます。カラムによって分離された成分は順次イオン源に導入され、EIによってイオン化され、マススペクトルが得られます。このマススペクトルをデータベース検索し、その成分を推定するのが一般的なGC-MSによる分析の流れです。

このプロセスにおいて、試料成分のイオン化という観点から幾つかの注意点があります。先ずは、GCの注入口で試料溶液を加熱する時、試料成分が熱分解を起こしてしまう可能性があることです。ある試料成分が注入口で熱分解して別の化合物になってしまう場合、後者の構造を保ったままEIでイオン化されてM+が生成したとしても、それは、元々の構造は保っていないので、目的の試料成分がイオン化したとは言えません。この、試料成分の加熱・気化のプロセスにおいて熱分解を起こしてしまう可能性は、GCからの試料導入以外にも、直接導入法でも起こり得ます。

 

このような問題を回避できる可能性として、GCからの試料導入については“コールドオンカラム注入法”があります。また、直接導入法では“Desorption EI法”が知られています。

 

直接導入法には、通常加熱プローブが用いられます。プローブ先端のガラスキャピラリーに試料溶液を数µL注入し、イオン源に挿入、プローブ先端を昇温させて試料成分を気化させます。この時、熱に不安定な化合物は熱分解を起こしてしまいます。一方、Desorption EIでは、プローブの先端に白金線がついていて、この白金線に試料溶液を塗布してイオン源に挿入します。そして、白金線に高電流を瞬間的に流して高温にして、試料成分を瞬間的に気化させます。瞬間的に高温状態にすることで、試料成分は熱分解を起こすより前に気化される可能性が高くなります。

 

熱分解することなく試料成分が気化してイオン源に導入されたとして、次に問題になるのがEIでのイオン化です。EIでは、通常70 eVの電子線を気化した試料成分に照射して、試料成分の分子が電子を1つ失ってM+が生成します。しかし、多くの有機分子はイオン化ポテンシャルが10 eV程度であり、70 eVの電子線は分子のイオン化にとっては大過剰なエネルギーです。そのため、殆どの有機分子は、イオン化と同時に断片化(フラグメンテーション)を起こします。この時、M+とフラグメントイオンが適度な比率で観測されれば、分子の質量情報と構造情報の両方が得られるので良いですが、中にはM+が全く観測されず、全てフラグメントイオンになってしまう有機分子もあります。それが未知化合物であれば、定性分析の観点からは分子質量が分からないので致命的です。

 

“ライブラリーサーチでヒットするデータがあれば良い”

 

と考えている人もいますが、それは危険です。例えば次のデータは、農薬の一種であるテルブカルブのEIによるマススペクトルと、そのライブラリーサーチ結果です。

ライブラリーサーチ

 

m/z 277 (M+)は観測されず、m/z 220のフラグメントイオンが最も大きなm/zで観測されています。ライブラリーサーチ結果で最も類似度が高いのは、異なる化合物のマススペクトルでした。テルブカルブのマススペクトルにおいて観測されているm/z 220イオンは、以下のように生成すると考えられます。

テルミカルブ_フラグメンテーション

 

標品がある試料成分を、GC/MSを用いて定量分析を行う場合、M+が全く観測されず、全てフラグメントイオンになってしまっても、EIによって得られるマススペクトルのパターンは非常に再現性が高いので、フラグメントイオンのm/z値をモニターした選択イオンモニタリング(selected ion monitoring, SIM)で対応可能です。

 

EIとそれを用いるGC/MSはとても完成度が高く汎用性もあり有用な分析法ですが、未知試料の定性分析という観点においては、加熱気化における熱分解やEIイオン化におけるフラグメンテーションに注意が必要です。また、ライブラリーサーチは万能ではないと言うことも、是非覚えておいて下さい。

 

引用文献

1) 日本質量分析学会用語委員会編「マススペクトロメトリー関係用語集第3版(WWW版)、p. 70(2009).

 

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横浜市立大学における質量分析の講義&実習:知らないことを”分からない”で済ませない

4月から始まった横浜市立大学での質量分析講義&実習、1クール(4週間)目が先週で終了しました。この講義&実習、国際総合科学部理学系の3年生を6グループ(AF)に分け、他の先生方が担当する赤外分光や液体クロマトグラフィーなどと一緒に行われています。質量分析は、もう一人の先生と私が、ESI-ITMSMALDI-TOFMSを担当していて、第1週にA, B合同で講義、第2週にA班がMALDI-TOFMS, B班がESI-ITMSを使った実習、第3週は逆にして実習、第4週にA, B合同でデータ解析、この4週間で1クールになります。

 

1クール目が終わった時点での、今年の3年生に対しての印象ですが、年々おとなしくて想像力が乏しい学生が増えている感じです。

講義にしろ実習にしろ解析にしろ、こちらから一方的に話すだけのやり方は好きではないので、色々と学生達に質問するようにしています。もちろん、質量分析の事は皆ほとんど知らないので、質問に対して直ぐに“分かりません”と返してくる学生が結構いるのですが、私は基本的にそれを許していません。“考えろ”、“想像しろ”、と言って何かしら答えさせるようにしています。

 

例えば、アントラセンという化合物をLD-TOFMSで測定すると、分子から電子が1つ脱離したm/z 178イオン(M+)が観測されます。

Anthracene

 

この時、電子の質量を統一原子質量単位で表すとどれ位になるかを質問するのですが、ほぼ全ての学生が“分かりません”と答えます。まぁ知らないとは思いますが、私はそれに対して、“元の分子の質量と電子を1つ失ってできたイオンの質量が殆ど変わらないことから(それはマススペクトルから分かるので)、大体で良いから電子の質量はどれ位か?を想像してみなさい”と言って考えさせます。例えば、水素原子の1/10位なのか1/100位なのか1/1000位なのか1/10000位なのか、っていう感じで...

因みに、実習で使う質量分析計はそれ程分解能の高い装置ではないので、観測されたm/z値から電子の質量を推測することは出来ません。

 

すると、多くの学生は、“1/1000位かなぁ?”と正解に近い数値を言ってきます。正解は約0.5 mDa(水素原子の質量の約5/10000)ですから、良い線いってます。正解を知っているに越したことはありませんが、知らないことでも考えて、想像して、何かしら自分の言葉で返すというのは、3年生以上の学生には重要だと思っています。横市大の学生はとてもお勉強ができるので、教えられたことを覚えて、それをそのままアウトプットするのは上手にできます。しかし、知らないこと、教えられていないこと、未知の問題に対してどう考えて、どう問題解決にアプローチするかってことは、全くと言って良いほどできません。

 

社会に出ると、そのような能力が要求されることがあるので、今のうちから少しずつ鍛えてあげたいと思っています。

 

 

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早稲田大学でのLC/MS技術指導:失敗から学ぶことは多い

今月の早稲田大学N研究室のLC/MS技術指導、先週の金曜日でした。3月から加わった4年生が、早速やっちゃってくれました。まぁ、小さな失敗ですけどね🎵

 

前回は、M1のサポートが3人いましたが、今回は1人だけ。5人の4年生中心に、学生達に測定操作を全て任せました(確認もせず)。

途中で、隣部屋の解析用PCで測定したデータを1つ見た時、ベースラインがやけに綺麗だなぁとは思ったのですが…

 

午後から加わったD1の学生が装置を見に行ったら、LCポンプのドレインバルブが閉まりきってなかったようで、カラム圧が低い状態(カラムに流れる移動相流量が少ない状態)で測定していました。多分、設定流量の1/5~1/10くらいしか流れていなかったと思います。

 

移動相流量は、最適な線速度になるように設定しているので、カラムに流れる移動相流量が少ないと言うことは線速度が小さいと言うことなので、クロマトグラムのピークがブロードニングします。また、試料中の成分が本来より遅い時間にカラムを溶出するので、見たい成分が設定した測定時間内にカラムから出て来ない可能性があります。

 

このLC-MSで使っているS社のLCポンプ、ドレインバルブが閉まりにくいと言う癖があり、最初の操作説明の時話したのですが。また、カラム圧力からいろいろな情報が得られるから、普段からカラム圧力を見る癖をつけるように伝えておいたのですが…

 

両方とも、4年生全員の頭からぶっ飛んでいたんですね(((^_^;)

 

カラム圧力が低いことに気付いた子はいたようなのですが、スルーしちゃったみたいです~(>_<)

 

何時間か使ってしまいましたが、失敗から学ぶことは多いので、無駄にはならないと思いたい(学習して欲しい)です❗

 

傍らに付いて事細かく指導する、所謂¨転ばぬ先の杖¨的なやり方をするのは簡単だし結果は出ますが、学生達の考える力、感じる力は育たない。基本的なことを一通り教えたら、まずはやらせてみる。失敗してもそれを教訓にすればいい♪
学生達には、そーゆースタンスで接しています。同じ失敗はしないでくれよぉ…

 

 

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塩山~奥多摩ラン60 km:退路を断つコース設定

GW後半の5月6日、野辺山100 kmウルトラマラソン対策の練習として、山梨の塩山駅~奥多摩駅まで国道411号線をひた走る60 km走にチャレンジしました。

 

 

昨年の春~夏にかけて、塩山駅から大菩薩峠まで走って登る(ゴールは甲斐大和駅近くまで下った温泉)練習を何回かやったのですが、そのコースの前半国道411号線を走っている時、道路標識でその道が奥多摩まで続いていることを知りました。

 

Google Mapで距離を計ると約60 km。走れる距離だなぁと思って企画したところ、5人の仲間が一緒に行ってくれました。

 

ロング走練習を自分で企画することはよくあるのですが、その時に重要なのは、途中でエスケープできるポイントがあるかどうか。疲労や怪我、夏場は熱中症など様々な理由で走れなくなった時、電車などに乗ってエスケープできると、色々なレベルの人が参加できます。

 

しかし、今回は基本的にエスケープポイントはなし。エスケープポイントがあると、キツい時に自分に甘くなってしまうので、あえて退路を断つコース設定にすることで、何がなんでも走りきると言うプレッシャーを自らにかけました。一緒に走ってくれる仲間を募集する時も、エスケープポイントがないことを予め伝え、今回の5人の強者が手を挙げてくれました。

 

当日は、中央本線の塩山駅を朝8時にスタート。

FB_IMG_1494157988809     スタート地点の塩山駅前

 

最初の約10 kmは411を避けて裏道を走りました(車が少ないので)。スタート直後からイキナリの激坂!  この裏道を初めて走ったメンバーは、かなり面食らったと思います。約10 kmで大菩薩峠へ向かう分かれ道に。ここまでずっと上り坂。ここから411を柳沢峠へ。まだまだつづら折りの急坂は続き、18 kmチョイで柳沢峠へ到着しました。

IMG_20170507_224911_388

 

塩山駅の標高が約400 m、柳沢峠が約1500 mですから、18 kmで1100 mも登ったことに!

こりゃぁ~、キツい訳だ…

 

野辺山100 kmの最初の上りが、同じ位の距離で約600 m登るので、柳沢峠超えの方が遥かにキツい❗  

 

柳沢峠の手前、奥多摩まで45 kmの標識がある地点に差し掛かった時、道路脇の空地に車が停まり、ドライバーのおじさんが降りてきて話しかけてきました。

・おじさん:何処から何処まで行くんですか?

・私達:塩山駅から奥多摩駅まで、大体60 kmです。

・おじさん:ウルトラの練習ですか?  私も野辺山やサロマは走ったことがあって、この道は車でよく通っていて、1度走りたいとは思っていたんですけど走っている人見たことなくて、皆さんが走っているのを見て驚きました。

DSC_2917

 

 

って感じで少し立ち話。この道は普通走っては通らないらしい…(((^_^;)

で、仲間に話したいから写真撮らせて下さいって言われたので撮って頂いたら…

なんとこのおじさん、今回同行したメンバーの一人に共通の知人(ラン友さん)がいて、その方経由で写真を頂きました(о´∀`о)

 

 

こんなことがあるんですね~❗ いやぁ、ホントに世間は狭い。

 

柳沢峠から先、丹波山村まで約20 kmはひたすら下り坂。丹波山村から奥多摩湖までは若干のアップダウンがありましたが、柳沢峠まで激坂に比べれば、どーってことないp(^-^)q

DSC_2931

奥多摩湖

 

そして、奥多摩湖畔から奥多摩駅まではほぼ平坦、後半でもそれほどペースが落ちることなく、約9時間で走りきれました。

 

コースの殆どは歩道がなく、トンネルも多く(中には真っ暗なトンネルも)、決してラン向きではないコースでしたが、野辺山対策としては良い練習コースだと思いました。

 

最初っからガーっと登ってガーっと下るあたり、野辺山の前半を彷彿させます。

 

ゴール後は、奥多摩駅近くの温泉で汗を流して、帰りの電車で乾杯( ´∀`)

苦しくも楽しい1日になりました。一緒に走ってくれた仲間に感謝!

 

この翌日も、東村山トライアスロン連合のラン練習に参加して30 kmラン。2日で90 kmをこなし、今年は自信もって野辺山に向かえます。

 

野辺山100 kmウルトラマラソンまで、あと9日!

 

 

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新規開発中のLC-MSイオン源に関する発表断念

以前の投稿で、新しく開発中のLC-MSイオン源について、来週の質量分析総合討論会で発表すると書きましたが...

DSC_2371

 

非常に興味深い現象が見られたためだったのですが、その後の実験でその現象が再現せず、結局今回は発表を断念しました。

ただ、一度は確実に見られた現象なので、再現性良く観測できる条件が必ずある筈です。

現在、イオン源の設計を少し変更して、実験で変更できるパラメーターを増やしていますので、設計変更が終了したら再度実験を行います。

 

 

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LC/MS用脱塩装置のプロトタイプをテストしました

エムエス・ソリューションズ(株)では、LCMSの間に接続するだけでリン酸塩緩衝液中のリン酸塩をオンライン・リアルタイムに除去し、リン酸塩緩衝液条件でのLC/MSを可能にする脱塩カートリッジ“ソルナックカートリッジ”を発売しています。複数のカートリッジを自動で切り替えて連続測定に対応できる脱塩装置のプロトタイプを試作したので、古巣である日本電子株式会社様に持ち込んで接続テストをさせて頂きました。

DSC_2808-2

 

写真左側が脱塩装置です。2つのバルブの間にソルナックカートリッジを接続します。1-12のバルブを使用しているので、最大12本のカートリッジを接続できます。カートリッジ1本あたりの脱塩時間は、緩衝液のリン酸塩濃度、移動相流量、カートリッジサイズに依存しますが、概ね1020分なので、基本的には1測定で1本使用します。測定が始まる(LCのオートサンプラーがスタート信号を出す)タイミングで、2つのバルブが同時に切り替わり、MSの測定も同時に始まる必要があります。その辺りの接続や、連続測定が問題なく進行するかを確認しました。配線の仕方を少し変更しながら、連続測定に対応できることを無事に確認できました。

 

この脱塩装置ですが、日本電子(株)製のLC-TOFMSと一緒に販売することをご検討頂いています。

 

脱塩カートリッジに加えて、脱塩装置のデモも可能になりましたので、ご興味あればお気軽にご相談下さい。

 

 

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質量分析屋のブログでは小平市を拠点とする日々の活動やお役立ち情報をご紹介しております

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