2017年

大学技術職員さん向けの研修会で質量分析の講義をした時のアンケート結果を見て

8月の末に、全国の大学の技術職員さん達の研修会が長岡で行われ、その前日に質量分析の講義を行い、その時のことを以前ブログに書きました

技術職員研修会チラシ

 

最近になって、その時の参加者に対して行ったアンケート結果が、主催者から送られてきました。概ね好評だったので、先ずは一安心しました。

 

プラス意見の1つに、“MSメーカーの人ではなかったこと”が挙げられていました。この種の講義には、メーカーのアプリケーション担当者が呼ばれることが多いのですが、その場合どうしても自社装置の宣伝的な内容が入ってしまいます。話す本人はそのように意識して居なくても、聴講者からはそのような印象を持たれてしまいます。まぁ、仕方ないことではありますが。その点では、私はMSメーカーではなく、かといってユーザーという訳でもなく、大学でたまに講義なんかやったりして、でも企業の人間で、自分で質量分析も行っていて、面白い立場ですよね。それが良かったのかも知れません。

 

マイナス意見の1つには、“LC/MSの話しが中心だったのが残念”というのがありました。その方は普段、直接試料導入でのFABEIの測定をすることが多いのだと思います。私自身、日本電子に勤めていた時は、直接試料導入のEIFABGC/MSLC/MSMALDI/MS、ありとあらゆるタイプの質量分析を経験し、今では殆どがLC/MSですが、やはり難しいのはLC/MSに関連することだと思い、今回はある程度LC/MSにフォーカスした内容にしました。参加者は30名程居ましたから、その人達全てが満足する話を1時間程度で出来る訳はなく、多少マイナスな意見があるのは仕方ないかなぁと思います。

 

今回は初めての場で、手探りで講義内容を考えたので、次回もし呼ばれれば、少し違う視点から話を組み立てても良いかなぁと思いました。

 

この種の講義には、交通費(必要であれば宿泊費)だけ出して頂ければ無報酬で講師依頼を受けています。お気軽にご相談下さい。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

第38回日本電子株式会社MSユーザーズミーティングに参加して

私の前職である日本電子株式会社のMSユーザーズミーティングに、協力企業として参加してきました。12/1に東京大学、12/8には大阪の千里ライフサイエンスセンターで開催。カタログ展示とショートプレゼンをさせて頂きました。

 

日本電子を辞めて7年半、今年から販売しているLC/MS用オンライン脱塩システム“ソルナック”の開発段階から、実験のためにLC-TOFMSJMS-100LP AccuTOF“を貸して頂いており、またソルナック自体にも興味をもって頂き、今回カタログ展示に声をかけて頂きました。有難い限りです。

 

ユーザーズミーティングと言うイベント、各MSメーカーで行っており(メーカーに依ってユーザーフォーラムと言ったりする)、自社の装置を使っているエンドユーザーに対して、新製品や製品を使ったアプリケーション例などを紹介する場です。日本電子のMSのラインナップは、GC-(Q, TOF)MS, LC-(TOF)MS, MALDI-(TOF)MSですが、アプリケーションに依っては前処理などの周辺付属装置やデータ解析用の専用ソフトなどが必要であり、そのような製品を扱っている企業との協力が必要になります。全部で10社程の企業が展示していました。

 

私は、日本電子に勤めていた頃、特に入社してからの10年一寸の期間はLC/MSのアプリケーション開発を担当していたので、ユーザーズミーティングでは毎年のように発表していました。今回は3分間という短いショートプレゼンでしたが、日本電子のユーザーズミーティングの演台に立ち、とても懐かしかったです。

 

上で列記した様々な装置の市場規模は、金額ベースではLC-MS > GC-MS > MALDI-MSであり、主なMSメーカー各社も、概ねこの順番で新製品開発やアプリケーション開発を行っています。一方日本電子は、私が辞める少し前から、LC-MSには余り力を入れなくなってしまい、替わりに、それまでもやっていたGC-MSや新たにMALDI-TOFMSの開発に力を入れるようになっていました。どんな製品開発に力を入れるかは、限られたリソースの中で取捨選択してトップが決めることなので、私のような下っ端がとやかく言えたことではありませんでしたが(実際にはとやかく言いましたが。。。)、そんなことが辞める理由の一つだったかも知れませんね。

 

それはそれとして、日本電子でもLC-MS事業を全く止めてしまった訳ではなく、AccuTOFのリモデル(質量分解能向上と制御ソフトの一新)は行っていました。しかし、昨今のLC-MS業界はLC-MS/MS全盛期、主なMSメーカーは殆どLC-MS/MSを開発しているし、ユーザーの仕事もLC-MS/MSを必要とするものが増えているという現状があります。

しかし、MS/MS機能の無いLC-TOFMSでも適するアプリケーションは確実にあり、それに対して、エムエス・ソリューションズで開発したソルナックという技術を組み合わせることで、AccuTOFの競争力が少しでも上がるなら、我々としても非常に嬉しいことです。

 

現在、ソルナックは製薬企業様を中心にご購入頂いていますが、その全てが今のところは日本電子以外のLC-MSを使っているお客様です。ソルナックは、どんなLC-MSにも配管接続だけで使える物なので、現場のユーザーがMSメーカーとは関係なく独自に購入して使って頂いています。ソルナックに関してMSメーカーとタッグを組むのであれば、当然日本電子最優先ですね。

 

さて、今回は日本電子MS販促の山本さんに声をかけて頂いて実現したソルナックのカタロ展示ですが、東京と大阪の両方で実施した感想は、“新しい技術は大阪の方が受けが良い”です。まだまだ知名度が低く、初めて知ったという方が圧倒的でしたが、大阪の参加者からは、“おもろいなぁ”とか“よう考えたなぁ”などという意見が沢山聞かれました。人間性の違いなのでしょうか、以前から大阪の人は新しい物好きという印象をもっていましたが、今回もそれが垣間見えました。実際、9月から発売を始めたばかりのソルナックチューブ、毎月リピートオーダー頂いているのは大阪のお客様です。

 

また、営業を担当してくれている総代理店のアルテア技研さんからも上がってきていて、今回のユーザーズミーティングでもいくつか聞かれた意見は、“多検体の連続分析への対応”でした。ソルナックチューブは基本的には1分析に1本使います。12本まで自動切換ができる連続分析用のバルブシステムはありますが、やはり中途半端と言わざるを得ません。

 

100検体位は連続分析可能なシステムを開発したいし、具体的なアイデアもあるのですが、問題は開発費が無いことです。これは、二人でやっている超零細企業の弱いところですね。いまやっているドラマ“陸王”にでてくる“こはぜや”の状況が我が事のように理解できます。

 

連続分析用のソルナックシステムの開発、まぁ何とか工夫してやるしかないですね!

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

2017年11月の走距離

11月の走距離は、約180 kmでした。

9, 10月と100 km未満だったので、150 kmいけば良いと思っていました。脚の状態は良くなってきています。

距離を走ると大臀筋に痛みが出てきますが、もう慣れてきたので、痛い状態でもそこそこ走れています。

今月は週末に少年サッカーの予定を何回か入れつつ、200 kmまで伸ばそうと思います。

 

走距離_201711

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

解離抑制を志向したLC溶離液条件はLC/MSには適さない

逆相分配クロマトグラフィーでイオン性化合物(酸性 or 塩基性)を分析する場合、カラムに保持させるための方法は大きく分けて以下の2つです。

 

  1. 解離抑制による方法
  2. イオン対試薬を用いる方法

 

通常のHPLCで用いられるイオン対試薬は不揮発性のものが多く、LC/MSには適しません。そのため、LC/MSに用いられる揮発性のイオン対試薬が市販されています。

 

解離抑制による方法についても、LC/MSには適しません。今回は、安息香酸の分析を例にとって説明します。安息香酸のpKa4.2です。図に示すように、溶離液のpH4.2の時に解離状態と非解離状態が1:1pH2.2以下ではほぼ100%が非解離、pH6.2以上でほぼ100%が解離状態となります。解離状態と非解離状態では、解離状態の方が高極性になるので、逆相分配クロマトグラフィーでは保持が弱くなります。つまり、保持を強くするためには、pH2.2以下にして非解離状態にすれば良い訳です。このような溶離液条件は、UV検出器などを用いる通常のHPLCでは問題なく使えます。

安息香酸

 

LC/MSでは、安息香酸は弱酸性でプロトンの授受に関与する官能基はカルボキシ基なので、負イオン検出で測定するのが一般的です。安息香酸を負イオンで検出する時に、強酸性の溶離液を使用してしまうと、溶離液の添加剤の方がイオン化され易くなり、安息香酸のイオン化を抑制してしまうという問題が起こります。

 

このように、一般的なHPLCでは普通に用いられる解離抑制による溶離液条件は、LC/MSには適さないということになります。不揮発性塩を含む緩衝液と同様、通常のHPLCで使える移動相条件がLC/MSで使えないというのは、分析条件を検討する上ではストレスになります。

 

今回、この問題に対してソルナックチューブを適応させてみました。ソルナックチューブは、元々はリン酸ナトリウムやリン酸カリウムを除去するために開発したものです。そのため、ソルナックチューブには、陽イオンと陰イオンの両方を吸着させる機能があります。そのため、分析種もソルナックチューブに吸着してしまう可能性があります。一方、解離抑制を志向した溶離液条件に用いる場合、例えば今回の安息香酸の例では、溶離液の添加剤としてTFAを用いるとすると、安息香酸とTFAではTFAの方がpKaが小さいために、TFAのみが吸着して安息香酸は吸着しないようにイオン交換樹脂を細工すれば、TFAのみを選択的に除去することができます。

 

添付URLのアプリケーションデータでは、試料にトリプトファンを用いています。トリプトファンは、芳香環の影響によって解離抑制の条件を用いなくても逆相カラムに保持しますが、今回はTFAよりも負イオン([M-H])になり難い(TFAによりイオン化抑制を受け易い)例として用いました。

 

塩基性化合物のLC/MSについても、逆の性質のソルナックチューブを用いることで、解離抑制による溶離液条件を用いることが可能になります。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

子どもは地域で育てる! 青少年対策地区委員会主催の子どもまつり

11月の最終日曜日は、毎年東村山市青少年対策第一地区委員会(青少対一地区)主催の子どもまつりが行われます。今年も1126日、好天のなか富士見小学校で行われました。

DSC_0767

DSC_0767

 

焼きそば、豚汁、綿あめなどの模擬店に加え、木工細工、バルーンアート、昔遊びなどの体験型イベントも沢山あり、地域の子ども達が一日遊べるイベントです。

 

青少対の2大イベントは、夏のキャンプと秋の子どもまつり。キャンプが終わってからずっと準備を進めてきました。

今年の夏のキャンプの様子はこちら。

昨年の子どもまつりの様子はこちら

 

 

このイベント、青少対一地区の役員と協力委員、近隣小中学校のPTAの保護者の方達、更に近隣中学校の生徒達がボランティアで手伝ってくれて実施します。私は事業部の副部長になって5年程経ちますが、毎年バルーンアートを担当しています。高2の長男が学童保育に通っていた時、学童のイベントでバルーンアートがあってそこで体験して以来、ネットで作り方を覚えてレパートリーを増やし、今では15種類程作れるようになりました。

 

前日に荷物を運んだりして半日準備に加え、当日も役員は7時半から準備。バルーンアートチームは、私ともう一人作り手のお母さん、加えてPTAのお母さんが一人とボランティアの中学生が4人。メニューは、剣、犬、プードル、クマ、ウサギ、オウム、花、馬、ブタ、ゾウ。剣と犬は、体験コーナーで子ども達も作りました。値段は110円か20円。基本的に材料費(バルーンは1本約10円)だけ回収するスタンスです。

22904766_1493360034079511_1974758647490094493_o

この写真は、長女が卒業した高校の文化祭で作った時のもの

 

作るのにチョッと時間がかかるメニューが人気(一番人気はクマ)で、オーダーが集中すると作成が間に合わず、待たせてしまうこともしばしば。中学生にも簡単な物は作り方を教えて、対応してもらいました。開始直後の時間帯は子ども達が余り来なくて、中学生が積極的に呼び込みに行ってくれて、とても良くやってくれていました。子ども達とのやり取りでも、とても楽しそうにしていて、側で見ていてほっこりしました(^o^)

 

子どもまつり開始にあたり、東村山市長や会場である富士見小の校長がご挨拶をされていましたが、その中で“子どもを地域で育てる”という言葉がありました。私達が子どもの頃はそれが当たり前でしたが、今はそんな環境がなくなってきていますよね。

24131557_1519382144810633_8868181878193265245_n

ご挨拶される東村山渡部市長

 

さて、話は少し変わりますが、Facebookの友達が、学童保育に関する記事をシェアしていました。保育園と同様、学童保育所の待機児童が深刻な問題になっています。私は、長男が学童保育に通っていた時、東村山市の学童保育連絡協議会で役員(会長も1年)をやっていて、その時から学童保育の待機児童の問題はありました。

 

この記事の中で、昔は、子ども達は近所の何処ででも子どもだけで遊べたので、学童保育なんか必要なかった。という文章があります。私自身も、保育園には通いましたが、学童保育所には通った覚えがありません。兄がいたこともありますが、私世代では、子ども達同士で遊んでも今のような危険はなかったし、近所の大人達が見守ってくれていました。

 

今は、公園で泣いている子どもに声をかけると不審者扱いされるなど、世知辛い世の中になってしまっています。

 

青少対は、今の時代に“子どもを地域で育てる”ためにとても重要な役割を担っていると思います。

 

私はこんな頭なので、普段から結構目立ちます。青少対役員としてキャンプや子どもまつりで地域の子ども達と関わる他、地域の体力つくり委員会で町民運動会のお手伝いをしたり、少年サッカーチームのコーチとして子ども達を連れて近所の公園を走ったりしています。そういう場面って、本人は意識していなくても実は沢山の人に見られていて、知らない間に近隣の人に覚えられています。こういった活動を通じて、多くの大人達が地域の子ども達に関わることは、とても大切なことだと思います。

 

また、キャンプや子どもまつりのような子ども向けのイベントに、中学生や高校生がボランティアで手伝ってくれることは、とても重要なことです。彼ら(今回の子どもまつりでは100名弱)が私達の活動を見て、何人かでも大人になった時に同様な活動をしてくれれば、子ども達も中学生の姿を見て、中学生になった時に同じようにボランティア活動に参加してくれれば、この良い連鎖が続いて、何れは昔のように“子どもを地域で育てる”環境が戻ってくるのではないかと思っています。

 

このようなボランティア活動で大切なのは、“それぞれが出来る範囲で無理なく楽しく”という事だと思います。“今までがこうだったからこうしなければならない”とか、“私がここまでやっているのだからあなたもこうしなさい”など、少しでも強制的な要素を入れることは良くありません。

 

青少対の子どもまつり、準備も当日の活動も大変ですが、毎年楽しく参加しています。今年も、小さな女の子(2歳位か?)からクマをリクエストされて作ってあげたら、凄く嬉しそうな顔で抱っこしてくれて♪ もうその姿を見ただけで、疲れは吹っ飛びますね(o^_^o)

そして、目の前でバルーンを作ってあげる時の、子ども達の食い入るような目。子ども達の笑顔を見るために、来年もバルーン作り頑張ります\(^_^)

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

逆相HPLCでのタンパク質分析にはやはり含TFA溶離液が有効:第317回液クロ懇に参加して

昨日(1121日(火)、317回液体クロマトグラフィー研究懇談会に参加して聴講してきました。講演主題は「ペプチドおよびタンパク質分析における最新技術」。幾つかのカラムメーカーさんが、ペプチドやタンパク質の分離分析のためのカラムや移動相条件についての話しをするようだったので、聴きにいきました。

 

以下、私が理解した範囲で概要を説明します。先ず、ペプチドやタンパク質を逆相カラムで分離する場合の、カラムに対する重要なポイントは以下の3点です。

・カラムのアルキル鎖(特にODS)密度と分析種の分子量

・カラムのアルキル鎖長と分析種の分子量

・充填剤の細孔サイズと分析種の分子量

 

ペプチドの分析であれば、一般的な低分子化合物を分析する時のカラムをそのまま使っても問題はないようですが、分子量が大きなタンパク質の場合、その大きさによって上記3点に注意した方が良い分離が得られます。

 

タンパク質分析では、カラムのアルキル鎖(ODS)の密度は、通常のものより低くなるように設計されているそうです。タンパク質は分子が大きいので、通常通りの密度でODSを結合させてしまうと、ODSの林の間にタンパク質分子が入り込めず、相互作用しづらいということです。もう一点は、移動相のグラジエント条件に関係します。タンパク質(ペプチドでもそうですが)分析では、水がほぼ100%の状態からグラジエント溶離を行う条件が一般的です。ODSの密度が高いより低い方が、水100%に近い状態の液体と馴染みやすいのは容易にイメージできます。

 

タンパク質分子は大きいので、ODSC18)ではアルキル鎖が長すぎてその全体をタンパク質分子との相互作用に使うことができないとのことです。そのため、よりアルキル鎖の短いC8C4の方がタンパク質の分析には適しているようです。

 

充填剤の細孔サイズも、やはりタンパク質分子の大きさが影響するようです。一般的な充填剤の細孔は10 nm前後ですが、大きなタンパク質分子は小さな細孔には入り込めないので、30 nm以上の大きな細孔サイズの充填剤がタンパク質分析には適しているようです。分子量10万を超えるような巨大なタンパク質には、100 nmの細孔サイズの充填剤が良いというお話しもありました。⇒ 参考資料(株式会社YMC技術資料)

 

 

また、これはコアシェルタイプのカラムの話しですが、多孔質層の厚さも重要なファクターであるようです。⇒ 参考資料(株式会社クロマニックテクノロジーズ技術資料)

 

次は移動相条件についてです。ペプチドやタンパク質分析のための移動相は、酸性条件が用いられることが殆どです。TFAやギ酸を水とアセトニトリルに添加し、グラジエント溶離を行うのが一般的です。濃度は0.1%程度。特にTFAが有効で、アミノ基とTFAがイオン対を形成するために、疎水性充填剤への保持が強くなります。

 

UV検出によるHPLCではTFAでもギ酸でも大差はありませんが、検出器に質量分析計(MS)を用いると話は変わってきます。0.1%TFAを添加した溶離液では、ESIにおいて分析種のイオン化を抑制してしまうため、LC/MSではTFAよりギ酸の方が使い易いと言えます。私の経験では、ペプチドはTFAをギ酸に替えても分離状態はそれ程変わりませんが、タンパク質の場合、TFAをギ酸に替えてしまうとピークがブロードニングするなど分離状態は悪くなる傾向にあります。昨日の講演の中でも、タンパク質の分析にはTFAが良いという話になっていました。

 

実は、TFAによるイオン化抑制の原理は、私自身はまだ良く理解できていません。多分、論文等にも書かれていないと思います。一般的には、TFAは酸性度が高すぎて、ESIのニードルと対向電極との間に流れる電流値が高くなり過ぎることが原因であるとされています。しかし、その電流値が高すぎると何故分析種のイオン化が抑制されるのかについては、突っ込んだ議論がないと思います。分析種を負イオンで検出する場合には、TFAによるイオン化抑制は単純に理解できるのですが、分析種を正イオンで検出する場合にも起こるので、両方を満足させる説明がなかなか出来ないでいます。引き続き考えていきます。

 

さて、上記のように、逆相カラムを用いたタンパク質分析のための移動相条件は、やはりTFAが良いようです。しかし、TFAはタンパク質の(正イオン検出による)イオン化を抑制する傾向があります(コンベンショナルESIの場合)。ペプチドのように、安易にギ酸に替えることも良くありません。

 

ではどうするか?

 

エムエス・ソリューションズでは、ソルナックCFOOによる脱TFAを提案します。タンパク質を分析したアプリケーションデータを見ると、ソルナックCFOOを用いることで、TFAをそのままMSに導入した場合と比べて34倍のシグナル強度増加が認められます。このことは、TFAによってタンパク質のイオン化が少なくとも6575%抑制されていて、ソルナックCFOOを用いることで、それが改善されたことを意味しています。

 

原理上、ソルナックCFOOにタンパク質が吸着することは有り得ません。TFAを溶離液に用いたタンパク質のLC/MS分析に、安心してお使い頂けます。なお、ソルナックには充填剤詰め替えタイプのカートリッジと、ディスポタイプのチューブがあります。

 

ご興味あれば、是非一度お試し下さい。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

質量分析屋のブログでは小平市を拠点とする日々の活動やお役立ち情報をご紹介しております

東京都小平市にあるエムエス・ソリューションズ株式会社のブログでは、企業様や研究機関における技術指導やセミナーなど日々の活動のご紹介をはじめ、大学での講義の模様などもご案内しております。
当社がどのようなサービスをご提供しているか検討材料にしていただけるのはもちろん、質量分析の最新情報やノウハウなどもご紹介しておりますのでぜひご参考になさってください。
東京都小平市のエムエス・ソリューションズ株式会社のブログではトライアスロンやマラソンを趣味とする代表のエピソードなどもご紹介しております。技術指導やご相談を承る代表の人柄なども垣間見られるブログとなっておりますので、ぜひ判断材料の1つにお役立ていただき、初めての方もお気軽にお問い合わせください。