2018年2月

原稿査読で著者にどこまで修正を依頼すべきか

もう20年近く前から役員に名を連ねている液体クロマトグラフィー研究懇談会(略して液クロ懇、日本分析化学会の下部組織)では、もう10年以上前から、毎年(多い時には年に2回)HPLCLC/MSに関する専門書を編集・発刊しています。執筆とその原稿の査読に関わる人の多くは、私を含めた役員達です(執筆者は外部の場合あり)。先週も、今秋~来年辺りに発刊される専門書の査読会が行われました。私は7名の執筆者の1人であり、査読会にも参加し、他の執筆者の原稿を査読しました。

 

今まで液クロ懇で編集してきた書籍達は、こちらからご覧頂けます。

 

査読で重要のポイントは以下の4点だと思います。

  1. 学術的、理論的に間違っている記述内容がないか。
  2. 日本語として成り立っていない文章はないか(文法的に問題はないか)。
  3. 読みにくい構成になっていないか。
  4. “てにをは”の使い方はおかしくないか

 

1人分の原稿を複数名の人がグループになって査読し、これらに当てはまる内容が原稿に見つかった場合、グループの代表者が著者に修正を依頼します。

 

1に関しては最も重要で、専門書に間違った記述があれば大問題なので、少なくとも現状(査読をする時点)で正しいと一般的に考えられている内容を書く必要があります。液クロ懇役員では、MS(質量分析)の専門化は少数(役員の5 %以下)なので、MSに関する記述に関しては、私が特に細かくチェックする様に心掛けています。

 

2については、口語的に文章を書いてしまうと主語が抜けてしまうなど、日常的に不特定多数の人向けの文章を書きなれていない人は、文法的に問題のある文章を書いてしまうことがあります。日本語の会話は主語がなくても成立してしまうので、口語的に文章を書く癖がついてしまっている人は、なかなかこの問題は無くならないですね。

 

3については、改行したり段落を変えたりせず、あるいは適宜図を入れるなどの工夫をせずにダラダラと長い文章を書いてしまう等、読みにくい文章構成になってしまっている原稿の事です。

 

4については2や3とも関係しますが、書いている本人は以外と気づかないことが多く、複数名で査読して修正意見を出す事が重要だと思います。

 

これら4点については、査読段階で可能な限り漏れが無い様にチェックする必要があります。

 

一方で、これらに当てはまらない内容、“間違えでは無いし特に大きな問題では無いけど、こう言う書き方の方が好きだから修正して!”みたいな、つまり個人的な好みで著者に対して修正意見を出す事は、私は著者のオリジナリティーを無視する事にもなる可能性があるので、査読者としてはやらない方が良い行為だと思っています。でも、こう言う事をやる人って、実は結構います。良いか悪いかは別にして、私は“書籍の質に問題の無い範囲であれば著者のオリジナリティーは大切にするべき”と考えています。“例え小さな文言1つであっても”です。

 

これは、今回の査読会で私の原稿に対して出てきた修正意見の一例ですが...

「帯電液滴生成のためには、試料は...に溶解する必要がある。」

から

「帯電液滴の生成には、試料は...に溶解する必要がある。」

と言う文章に修正して欲しいという依頼がありました。

 

これ、勿論修正意見が悪いとは思いませんが、私的にはどっちでも大差無いと思います。どっちに転んでも大差無い、大して重要で無い修正を要求してくる査読者って、私としてはナンセンスだと思います。私は、この様な査読意見は絶対に出しません!!

 

まぁ、“こう言う書き方もあるんだなぁ”と普段は自分では書かない文章を認識できる機会が得られるので良い面もあるのですが、“こんなのどっちでも変わらないじゃん!”とチョッとだけ頭にカチンと来る場合もあります。

 

こう言う事って、会社等の組織内でも結構起こりますよね。私も以前勤めていた会社で、私が書いた文書に対して、上司から今回と似たような指摘をされた記憶が数えきれない程あります。本人のために良かれと思った指摘が、自分の好みを相手に押し付けるだけって事も有り得ます。

 

著者のオリジナリティーを大切にする意識をもつこと

 

私は重要だと思います。

 

 

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同じ会社の違う部門からの高分解能LC/MS/MSによる構造解析支援依頼

昨年から、高分解能LC/MS/MSにより得られたデータを使った未知化合物の構造解析支援の仕事を受けている会社があり、最近になって同社の違う部門からも構造解析支援のご依頼を頂きました。

 

元々ご依頼を頂いている方がご紹介して下さり、今回の新規ご依頼に結びつきました。私の仕事を信頼して頂いていると言うことなので、大変有難いし素直に嬉しいですね。今年度は、この種の仕事のご依頼がとても多いです。これは、Q-TOFOrbitrapなど、高分解能LC/MS/MS可能な装置の性能や操作性が向上して、気軽に使えるようにはなったものの、得られたマススペクトルをどのように解析したら良いか分からないというエンドユーザーが多いことに依るのでしょう。

 

私は、30年前に群馬高専の田島研究室でマススペクトルの解析に関する研究から質量分析を始め、以来ずっとマススペクトルの解析をやっていますので、一番好きで面白いと思っている内容のご依頼です。

 

信頼できるデータを得るためのメソッド開発から、得られたマススペクトルを解析する方法まで、LC/MSに関して一貫した技術指導を行います。詳しくは、ホームページをご覧ください。

 

 

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偏平足のワラーチランは注意が必要かも

偏平足のワラーチランは注意が必要かも

 

先週末(2/11)のランニングで足を痛めてしまいました。今日はそのことを分析してみようと思います。ワラーチでのランニングについて触れます。そして、少しネガティブな書き方をしますが、これは私個人の感覚であり、ワラーチを否定するものではないので、そこは誤解されないように読んで頂ければと思います。

 

私の足はチョッと偏平足気味です。偏平足は土踏まずのアーチが弱く、衝撃を吸収する能力が低いので、偏平足のランナーは膝や足首などの関節や靭帯の怪我をしやすいと言えます。私もランナーであり、その他のスポーツも楽しみますが、今までに膝や足首に沢山怪我をした経験があります。

 

偏平足では足が本来もつ機能を発揮できません。偏平足向けのインソールは沢山売られていますが、私は(今更な感はありますが)足本来の機能を復活させたいと思い、昨年の秋ごろからワラーチでのランニングをトレーニングとして取り入れています。

 

人がまだ裸足で走り回っていた時代、あるいは靴が現代のように高機能でなかった時代(靴がまだ普及していなかった時代)には、偏平足などと言う足の病気は無かったかも知れません。様々な現代病が知られていますが、偏平足もその1つと言えるでしょう。高機能の靴を手に入れることで、足の機能を失う人が出てきてしまった訳です。

 

さて、ワラーチって何だ?と思う人は多いと思います。私も使い始めたばかりなので多くを語ることは出来ませんが、“走るためのサンダル”ってことになるでしょうか!? 裸足に近い感覚で走れるので、ワラーチで走ることで足本来の機能を取り戻し、偏平足が改善されれば良いと考えた訳です。そして、これはワラーチで走ってみればすぐに分かりますが(まぁ走るまでもなく見れば分かりますけど)、薄いワラーチはクッション性が殆どないので、私のような偏平足がワラーチで走る時には、フォアフット着地(足の幅の最も広い部分が最初に地面につくように着地すること)にしないと関節への負担がとても大きくなります。そして、フォアフット着地で走ると脹脛の筋肉を使うので、ワラーチランニングによって脹脛の筋力強化ができると考えました。

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昨年秋から、ランニングの20%程度(5回に1回程度の割合)でワラーチを使用、少しずつ距離を延ばし、15 km位までは問題なく走れるようになりました。フォアフットで足を回すような着地がスムーズにできる時は、とても良い感覚で走れるようになりました。

 

そして先週末の三連休(2/1012)、10日は秩父方面へ友人とラン、少し雪が残っているという情報だったので、トレイル&ロード兼用シューズで約25 km。翌11日、近所の友人と多摩湖+αのラン約20 km、ここでワラーチを使いました。今にして思えば、これが失敗だったようです。つまり、前日の25 km走の疲れが残っている状態でワラーチを履いたことです。11日のラン、走り始めはワラーチで快適に走れていたのですが、10 km辺りから前日の疲れが脹脛に残っていたためにフォアフット着地が継続できず、徐々にミッドフットに近い着地になっていました。普通の足の人はミッドフット着地(足裏全体で着地すること)でも問題ないですが、偏平足の私はミッドフット着地では足裏アーチでショックを吸収できないのです。

 

そして走った後、“なんか左の足首が痛いなぁ”という嫌な感覚が残りました。午後は少年サッカーの試合で審判の予定がありました。足首が痛いなぁと思いつつも、予定通り1試合だけ審判。

 

三連休最終日の12日、午前中に少年サッカーチームの45年生を連れて、狭山公園へ走りに行く予定でした。前日からの足首が痛い感覚が残ってはいましたが、今更キャンセルは出来ないし、2.1 kmのコースを2周(1周目はジョグ、2周目はガチ)走って、+階段ダッシュのトレーニング。

 

11日午後と12日のランが余計で、痛めた足首に負荷をかけたことは否めませんが、やはり引き金になったのは、前日の疲れが残る状態でのワラーチランだったと思います。とは言え、春になればワラーチランはやっぱり気持ち良いし、足の機能向上にも役立つ筈なので、私にあったワラーチとの付き合い方をしていこうと思います。

 

 

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ソルナックチューブにトライアルセットがラインナップ

LCでは問題なく使えるけどLC/MSには使用が適さない”リン酸塩やTFAなどの添加剤”をオンラインで除去するための”ソルナックチューブ”、昨年9月に発売開始して以来、製薬企業様を中心に導入して頂いています。除去したい物質に合わせて3種類をご用意しています。リン酸塩を除去するためのCFAN、TFAなどの強酸性添加剤を除去するためのCFOO、ナトリウムイオンやカリウムイオンを除去するためのOOAN、各10本セット(¥30,000)が基本です。

 

最近になって、少ない本数でそれぞれ試してみたいというご要望が多く寄せられており、各2本ずつ計6本のトライアルセットを¥15,000で発売することにしました。1本あたりの単価を10本セットより安く設定しましたので、是非お試し下さい。

 

 

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LC/MS用脱塩チューブ”ソルナックチューブ”に吸着し易い塩基性化合物化合物に対するポストカラム法による改善例

リン酸塩緩衝液条件にソルナックチューブCFANを用いた場合、測定対象化合物が塩基性の場合には解離型になりチューブ内の樹脂に吸着してしまうことがあります。そこで、チューブ導入前にポストカラム法によりアンモニア水を添加することで、チューブ内の溶離液を塩基性にして測定対象化合物を非解離型とすれば吸着を抑制できると考えました。三環系抗うつ剤のドキセピンのpKaは9.0であることから、中性条件下では解離型となりカチオン交換樹脂に吸着してしまいます。そこで、ポストカラム法でアンモニア水を添加して、ソルナックチューブへの吸着の改善を試みました。アプリケーションデータをホームページに掲載しました。

ソルナックチューブ_ポストカラム_対塩基性化合物

 

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自分の信じる道

自分の信じる道を生きる

 

それ以上の選択肢はない

 

 

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