2018年9月

大学での質量分析関連の国プロ研究サポートを始めて一ヶ月

9月から始めた東京以西の大学での国プロの研究サポートの仕事ですが、1泊2日で3回行って大分様子が掴めて来ました。質量分析計を使った研究で、私自身その装置自体を使うのは初めてなのですが(質量分析計本体は使った事がありますがフロント部分が初めて)、触れるパラメーターが沢山あって、なかなか触りがいのある装置です。

プロジェクトリーダーの教授からは、“弄れる範囲で色々弄って性能を向上させて欲しい”と言われています。最初、今までその装置を主に使っていた方に教わりましたが、納品時にメーカーエンジニアの方に教えてもらった範囲でしかパラメーターを弄っていないようです。追加部品等も試作して良いと言われているので、何点かは設計もしています。

先ずは感度向上、そしてシグナルの安定性向上。まぁ試してみないと分からない事が多いですが、結構良くなる雰囲気を感じています。装置を色々と弄る仕事は、やっぱり楽しい!

 

 

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エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
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質量校正(マスキャリブレーション)が上手くいかない例

先日、LC/MS技術指導で初めてご訪問したお客様の所で、23日質量校正が上手くいかないと言う問題が起きていました。担当者様は、かなり長いLC/MS経験をもつ方でした。質量校正試料は何回か作り直したとの事。

 

早速、操作しているとことを見せて頂きました。

 

質量校正試料のマススペクトルを見て、問題は直ぐに分かりました。質量校正試料以外の、夾雑物由来のイオンがメインピークとして観測されており、質量校正試料由来のイオンのピーク強度が低くなってしまっていて、システムがピークを認識できていなかったためです。

 

質量校正試料を見せて頂きましたが、プラスチック製の遠沈管で調製・保管されていました。プラスチック製品の全てが悪い訳ではありませんが、質量分析で使う事を想定していない製品が多いようで、内壁からの溶出物がしばしば問題になります。

 

今回も、今まで私が使った事が無いプラスチック製の遠沈管だったので、先ずそれを疑い、ガラス製のバイアルで再調製して頂いたところ、夾雑物由来のイオンは消失し、質量校正試料由来のイオンが綺麗に観測され、質量校正も問題なく行う事が出来ました。

プラスチック製品が質量分析に適しているか否かは、正直使って見ないと分かりませんが、プラスチック製の遠沈管なら私はこの製品は安心して使えます

 

 

 

相談されてから問題解決まで約2時間でした!

 

何日間もご自身で苦労せず、メーカーさんなり私の会社なりに相談して頂ければ、もっと早く解決したのにと思います。

 

こう言う問題を抱えながら質量分析計を使っている企業や大学って、表面化していないだけで結構あるのだと思います。問題を問題として認識できるか否かは、担当者にどれだけ経験があるか、もっている引き出しの数に依存してきます。経験の少ない人が質量分析計の担当をしている場合、無理に自分達だけで問題を解決しようとせず、私達プロに頼って頂きたいと思います。また、問題を問題として認識出来ていないケースもあると思いますので、私は“質量分析の棚卸”を提案しています。

 

 

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代表取締役 高橋 豊
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売れない小説家や漫画家のような生活

 

ここ数か月、売れない小説家や漫画家のような生活をしています(>_<)

 

日本分析化学会で認証している“液体クロマトグラフィー分析士”と“LC/MS分析士”ですが、それぞれ初段から三段まではマークシート方式の筆記試験があります。四段と五段は小論文と面接です。両分析士の各段位試験は、毎年1回ずつ行われています。そして、初段から三段までの最初の5回分については、問題の解説書を液体クロマトグラフィー研究懇談会(液クロ懇)の役員で執筆・編集しています。

これは、第一回のLC/MS分析士二段試験解説書です。

LCMS分析士二段試験解説書

 

問題の解説を執筆するのは、基本的には問題の出題者です。私は長年、液クロ懇で役員をやっており、役員の中で私以外には質量分析に詳しい人が少ないと言う事があり、LC/MS分析士の試験では今までに何度か出題者を務めてきました。そして、ここ数年、1年に1冊ないし2冊のペースで、過去に出題した問題の解説執筆の依頼が入ってきます。この依頼、お金になれば幾らでもウエルカムなのですが、残念ながら原稿料は殆ど頂けません! 高校生のアルバイト代より遥かに安いです。

 

一冊につき、78題分の解説原稿を書くのに、毎日書いている訳では勿論ありませんが、一ヵ月程はかかります。本来の仕事が順調に入りながらの、この種の書籍の執筆依頼が入ってくれば問題無いのですが、ここ数か月は本来の(お金になる)仕事の件数が少なく、会社の少ない売り上げは、全て社会保険やら年金やら税金やらホームページ作成費やらの固定費に消えていきます。4月以降、横市大の非常勤講師の謝礼が少し入ってきましたが、悲しいかな6ヵ月間会社からの給料を自分に支払っていない生活が続いています(ToT) 流石に生活が厳しくなってきた...

 

質量分析で社会のお役に立つ仕事をしていると言う自負はあるのですが、中々結果に結びつかないですねぇ...

 

“売れない小説家や漫画家のような生活”と書きましたが、そのような人達は今後売れる可能性がありますが、私が今書いている原稿は、お金にならない事が分かっていて書いていますから、ある意味更に悲惨ですね。とにかく今は、LC/MSのコンサルティングもソルナックチューブも、売り上げを上げるためにジタバタするしかありませんね。

 

 

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LC/MSでブランク試料を測定した時に現れる夾雑ピークについて

以前投稿した“LC/MSにおける試料調製や前処理で重要なポイント”について、1つデータが間違えていたので、先ほど修正しました。この記事の後半で描いている“ブランク試料のTICクロマトグラムで観測されたピークは、必ずしもブランク試料由来ではない可能性がある”について、今回は他の可能性を書いてみます。

 

経験上、二つの可能性があると思います。

 

1.試料導入系の汚染

オートインジェクターやマニュアルインジェクターなどの試料導入系が、以前測定した試料等によって汚染されている場合、それが試料注入の度に混入し、あたかも試料に含まれていたかの様な挙動を示します。

 

2.LCの水系溶離液の汚染

LC/MSに用いられるLCの8割以上は、逆相分配クロマトグラフィーです。そして、その多くはグラジエント溶離が用いられます。2の可能性は、逆相でグラジエント溶離を行う場合に特に起こり易いです。この条件では、グラジエントの初期状態は水系溶媒がリッチで、カラムの平衡化を行って試料を注入します。水系溶離液が汚染されていると、平衡化の間に溶離液中の成分がカラム先端にトラップされ、グラジエント溶離によってそれが溶出されてきます。そして、その成分があたかも試料中に含まれていたかの様に振舞います。

 

夾雑ピークの原因が、“ブランク試料に含まれている”か、“試料導入系の汚染”か、“LCの水系溶離液の汚染”か、を見極める方法は以下です。

 

  1. a. ブランク試料の注入量を変えて見る

注入量を変えて夾雑ピークの強度が変わればブランク試料由来、変わらなければ“試料導入系の汚染”か“LCの水系溶離液の汚染”が原因です。

 

  1. b. 試料を注入せずグラジエントプログラムだけ走らせて見る

これはLCシステムによっては出来ない場合がありますが、もし可能であれば、これをやってみて夾雑ピークが出現すれば“LCの水系溶離液の汚染”が原因である可能性が高いです。

 

  1. c. 平衡化の時間を変えて見る

bの実験をする際、水系溶離液による平衡化時間を変えて見ます。それに伴って夾雑ピークの強度が変化するようなら、“LCの水系溶離液の汚染”が原因である事は先ず間違いないでしょう。

 

この様なトラブルは、LC/MSでは何処でも起こりえます。しかし意識をしていないと、この様な問題が起こっている事自体に気づけません。

実際、私が技術指導等でご訪問したお客様のところでは、多くがこの問題が起こっていながら気づいていませんでした。

 

原因が分かった後の対処法については、また別の機会に書いてみようと思います。

 

LC/MSにおける分析法の棚卸、一度やってみませんか? 一つ上のステージでの分析が可能になりますよ。

ご依頼については、ホームページの問合せからお気軽にご連絡ください。

 

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東京以西の大学での質量分析に関連する国プロ研究サポート

今月から、東京以西のとある大学で、国プロ関連の研究を手伝う事になりました。

来年の3月で終了予定らしいのですが、最近担当の職員さんが急に他大学に移動になってしまい、かといって今更新しい人を雇う事も出来ず、リーダーの先生は大変困っていたとの事。

この先生とは以前からの知り合いですが、少し前SNSに“会社の仕事が減ってしまって暇”と言う主旨の投稿をしたら、“仕事を手伝って欲しい”と連絡があり直ぐに話しがまとまりました。

 

一寸遠いので、基本的には12日で毎週訪問予定。限られた予算内で出来るだけ成果を挙げたいのとアカデミックプライスも考慮し、今回はかなり安い額で引き受けました。もちろん質量分析に関係した内容ですが、私の最も得意とするLC/MSからは外れるので、自分自身の勉強の為にもなると考えれば、安い額で引き受けるのは投資の意味にもなります。

 

来週以降、基本的に毎週月・火は東京を離れます。どうなるか、やって見ないと正直なところ分かりませんが、成果を挙げられるように全力を尽くします。

 

今回の様に、“質量分析に関して一時的に仕事を手伝ってくれる人が欲しい”などとお困りの場合、一日だけのご依頼からお引き受け致します。ホームページの問い合わせからお気軽にご連絡下さい。

 

 

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質量分析屋のブログでは小平市を拠点とする日々の活動やお役立ち情報をご紹介しております

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