2020年4月

LC-MSにおけるイオン取込細孔の電圧設定と付加イオンパターン

以前のブログで、イオン導入細孔の設定電圧とマススペクトルパターンの変化について書きました。イオン導入細孔は、ESIAPCIなどの大気圧イオン源において、大気圧で生成したイオンが真空領域に入っていく時に最初に通過する細孔です。図1をご参照下さい。

 ESIソース

 

図1 ESIソースの概略図

 

メーカーによって名称は異なり、cone, orifice, transfer tube, heated capillaryなどと呼ばれています。その後に続く差動排気部にイオンを送り込むために、数十V程度の電圧が印加されています。その電圧を高く設定すると、細孔を通過した後にイオンが残存ガスと衝突してフラグメンテーションを起こす(In-source fragmentation)ことは、以前のブログに書きました。

その際、付加イオンの強度比が変化するのですが、今日はそのことについて書いておきます。WatersQTOF-MSSynapt G2-XS)でConeの電圧を30 V, 50 V, 70 Vに設定した時の、ロイシン・エンケファリンのプロトン付加分子([M+H]+)付近のm/z領域のマススペクトルを図2にしまします。

ロイシンエンケファリン_cone電圧_付加イオンパターン

図2 ロイシン・エンケファリンのマススペクトル(Coneの設定電圧と付加イオンパターン)

 

このブログにも書いた通り、ロイシン・エンケファリンの[M+H]+m/z 556)は30 Vの時に最大強度を示し、電圧を上げると共に強度は減少し、フラグメントイオンが生成します。この時、付加イオンは[M+H]+に対して[M+Na]+[M+K]+が相対的に増加しています。NaイオンやKイオンが付加する事でイオンの構造が安定化するために、高いCone電圧の時に相対強度が大きくなると言う現象が起こります。

例えば通常の条件設定でLC/MSを行い、未知成分のマススペクトルで顕著なピークが1本しか観測されずにイオン種が決定できないような時、この電圧を高めに設定する事で付加イオンパターンが変化すれば、イオン種を決定できる場合があります。

 

 

 

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エムエス・ソリューションズ株式会社
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日本年金機構の時代錯誤的な対応に疑問

二つ目に設立した会社は、健康保険と年金の支払いをまだ口座からの自動引き落としにしていないので、請求書が届くのですが、支払いは銀行等の窓口に行くしかないのかな? 振込先の口座情報とかないし。今どき、ネットで振込とか、PayPalやカードでのオンライン支払いとか、当たり前だと思うのですが、それがデフォルトで出来ないなんて、時代錯誤も甚だしいと思います。

 

連絡をしようとして年金事務所のホームページを見ても、電話番号しか書いていない。せめて、メールでの問い合わせくらいには対応して欲しいものです。そして、電話をしても、”混みあっている”とか自動音声が流れるだけで、いっこうに繋がる気配がない。電話か窓口での対応のみって、今の社会の流れに完全に逆行していますよね。

 

会社の代表として、色々な外部機関とやり取りしますが、年金事務所への対応が一番ストレスを感じます。何とか考えて欲しいです。

 

 

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質量分析オンラインセミナー実施

年間で質量分析のコンサルティング契約を頂いている企業様より、新型コロナウィルス感染拡大防止対策として、外部の人が社内に入れない状況になっている(私自身も移動を自粛中)と言う事で、オンラインセミナーのご依頼を頂き、初めての試みでしたがやってみました。

 

使用したのはTeams。先方でチームを作ってもらい、私が招待して貰いました。管理者の方に、私を発表者に設定して貰う事で、こちらで作成したプレゼン資料を共有でき、それを使ってマススペクトル解析に関する講義を行いました。マススペクトルは、日常的に測定する機会が多い化合物で、詳細には解析できていない例を数日前に準備して頂きました。

 

やってみて率直に感じたのは、”やりにくい”と言う事です。私は元々、セミナー等の講義の時、画面を見るよりも聴講者を見て、表情などで理解度を予想しながら話を進めるタイプです。オンライン講義の場合、自分のパソコン画面にはプレゼン資料を表示させてしまうため、参加者全員のカメラ画像を表示させる事は出来ません。また、カメラ画像を各自が表示してしまうと通信が途切れてしまうリスクがあるため、その時はそもそも全員非表示にしていました。

 

ネットの向こう側で、皆さんが聴いてくれていると言うのは理解しつつも、私が話しているときのレスポンスが全くない(聴講者の表情やリアクションが見えない)状況で、パソコンの画面に向かって話しているときの感覚は、違和感そのものでした。

 

良い点として挙げられるのは、何と言っても移動の必要がない事ですね。そのお客様の事業所は、私の自宅からはdoor to doorで2時間近くかかるので、その時間と距離をゼロに出来ると言うのは、何とも便利な世の中になったものだと感心します。

他の良い点は、セミナー中等にディスカッションした内容を、その場でプレゼン資料に反映できる事です。ディスカッションの内容や書き込む量にもよりますが、全員が画面を共有している状況で、資料を修正したり書き込んだりできるのは、とても有用だと思いました。

 

”余り積極的にはやりたくない”と言うのが、初めてトライしてみての感想です。しかし、今の社会状況ではそうも言っていられません。同じお客様に対して、今週もオンラインセミナーを行う予定です。

 

社員の出勤を制限されている組織が多いと思います。1回3時間以内で、質量分析オンラインセミナーのご依頼を受け付けようと思います。費用等詳細は、ホームページに掲載します。大きな質量分析関連メーカーさんがやっているように無料には出来ませんが、より正しく突っ込んだ解説をしますので、ご興味あればお気軽にお問合せ下さい。

 

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ランニングにおける新型コロナウィルス感染対策

新型コロナウィルス感染症拡大防止対策として、外出を自粛されている方が多いと思います。私も、毎週仕事で出向いていた浜松医科大での仕事を、今週から在宅に切り替えました。東京と静岡を比べると、静岡の方が感染者が圧倒的に少ない状況の中(NHKの新型コロナウィルス特設サイト情報、4/17現在、東京2595人、静岡49人)、万が一にも自分が東京から静岡へのコロナウィルスキャリヤーにならないために、この移動自粛は当然と言えるでしょう。

 

とは言え、体力や免疫力を低下させないために、適度な運動はやった方が良いと言われています。私はもともと走る人なので、最近はマラソン大会の中止ばかりでモチベーションが上がらず走る回数と距離は減ってはいますが、時間を見つけてたまには走るようにしています。

 

そして、走るときに気を付けていることは、自分が無症状の感染者かも知れないと言う事を念頭に置きつつ、呼気を周りにまき散らさないようにする事です。このことは、”ジョギングエチケット”として、京都大学の山中教授もYouTubeで紹介されています。

 

くしゃみや咳による飛沫が感染原因になるなら、当然呼気も原因になり得ますよね!

 

このサイトでも、”ランニング中の呼気がスリップストリーム現象で後方に拡散される可能性”を示唆しています。この記事の中で引用されている論文は、まだアクセプトもされていない状況のようですし、考察はあくまでも空気力学によるものらしいですが、感染リスクという観点からは、十分にあり得る内容だと思います。

 

という訳で、最近の私のランニングスタイルは、このようになりました。

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このように普通のマスクをして走ると、汗でマスクが濡れて顔に張り付くので、走り始めて直ぐに呼吸が苦しくなります。高地トレーニングと同じ効果が得られ、心肺機能向上に役立ちます。さらには、短い時間で高強度のトレーニング効果が得られるので、今の状況にはぴったりと言えるでしょう。

 

暫くは、このランニングスタイルを続けてみようと思います。

 

 

 

 

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新型コロナウィルス感染拡大防止に対する対応

新型コロナウィルス感染拡大を受けて、政府による非常事態宣言が発令されました。

エムエス・ソリューションズとしての仕事の殆どはお客様の所へ出向いてのLC/MS技術指導なので、先月辺りから先延ばし状態で、一部ネットを使った講義などに振り替える準備を進めています。

 

一方で、私は浜松医科大学の非常勤職員であり、浜松医科大学発ベンチャーでも代表取締役を務めていますので、先週までは毎週二泊三日で浜松へ行っていました。新幹線はガラガラなので感染リスクは非常に低いと思われるのですが、自宅最寄り駅から新幹線に乗る品川駅までは、二つの路線を乗り継いで1時間半ほどかかる上に、両線ともに結構混んでいて、ソーシャルディスタンスと言われている2mを保つのは絶対不可能、50 cmの距離でも難しい状態でした。出来るだけ空いている車両に乗ってもその状況でした。

 

私自身はウルトラマラソンランナーですから、体力や免疫力はたぶん普通の人に比べるとかなり高い部類に入り、たとえコロナに感染したとしても、軽症かあるいは無症状で済んでしまうのではないかと思います。しかし、東京と静岡の感染者の違い、都内で1時間以上電車に乗る事による感染リスク、浜松へのウィルスキャリアーになってしまう事への懸念、など諸々勘案し、暫くの間は自宅待機で仕事をする事にしました。

 

皆さんも、自分が感染しないように気を付ける事は勿論必要ですし、無症状で感染している可能性やキャリアーになってしまう事への配慮も忘れないようにしましょう。

 

 

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群馬大学発ベンチャーがウィルスの不活性化を早める銅繊維シートを開発

毎日新聞オンラインニュースより、「群馬大学発ベンチャー”グッドアイ”と銅箔糸メーカーの”明清産業”が、付着したウィルスの不活性化を早める銅繊維シートを開発した」。

私は群馬大学卒業で、このニュースで写っている板橋教授は、大学の時に隣の研究室にいた先輩です。私が大学にいた当時、群馬大学工学部の化学系の建屋は4階建てで、確か17~18位の研究室がありました。板橋教授(みんな板さんと呼んでいた)がいた故赤岩研と、私がいた故永井研の2研究室だけが4階で、その他の研究室は各階5~6研究室がありました。同階に2つしかなかった両研究室は交流が盛んで、野球やコンパを一緒にやっていましたので、研究室の垣根を越えて付き合いをしていた記憶があります。

 

赤岩研の先輩の中で、板さんは後輩の面倒見が良くて、私も野球の時や飲み会の時に良くして貰った事を覚えています。就職してからも、板さんは研究室を次いで分析化学一筋の研究者&教育者、私は質量分析一筋の研究者&技術者、分野は多少違いますが「分析化学」という大きなくくりでは質量分析も分析化学の中に入るので、分析化学会などでは何度かお会いした事がありました。

 

お元気でご活躍されているようで、嬉しいですね。私も、負けないように良い仕事をしよう!

 

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