2021年1月

マススペクトル解析セミナー終了

昨日、技術情報協会主催のオンラインセミナーで、マススペクトル解析の話をしました。

10時半から、途中1時間のお昼休みと10分間の休憩を入れて16時半まで!

イオン化の内容も少し入れましたが、マススペクトル解析の内容をびっしり♪ いやぁ、疲れました!

 

前半に質量、同位体、イオン化、マスディフェクト、などの内容。

後半はLC/MSで観測される付加イオン、奇数電子イオンと偶数電子イオンのフラグメンテーションやマスシフト、衝突活性化、電荷移動、メタステーブル分解、MetFragやMS-FINDERなどのフラグメンテーション解析支援ツール、などなど。

 

ちょっと欲張ったかなぁという感もありますが、充実した内容にはなっていたと思います。

私は群馬高専の卒業研究で、田島進先生からマススペクトル解析について学んでから、ずっと仕事でマススペクトルを解析してきましたが、一日中マススペクトルの話をしたのは初めてでした。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
代表取締役 髙橋 豊
E-mail: tyutaka@ms-solutions.jp
http://www.ms-solutions.jp/
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

TOF-MSでスキャンは原理上正しくない

先日、ある質量分析計関連メーカーさんが作成した依頼分析のレポートを見る機会がありました。装置はQTOF-MSです。

そして、測定条件の部分に、以下の記載がありました。

・測定法     MS Scan

・スキャン範囲  m/z 20 – 1200

・スキャン時間  1 sec

 

この記載内容には、間違いが2種類あります。

1つは、m/zのmとzがイタリックになっていないこと。まぁ、これは忘れてだけかも知れませんので、軽微な間違いと言えるでしょう。

 

もう1つは、これは何度かブログに書いていますが、装置がTOFなのにスキャンと言う用語を使っている事です。

TOF-MSでは、マススペクトルを取得する際、原理上電圧走査(スキャン)を行いません。つまり、スキャンと言う用語は、TOF-MSに対しては原理上用いる事ができません。これは、QTOF-MSでも同じです。QTOF-MSでも、マススペクトルを測定するのはTOFですから。

 

上の3つの条件を正しい用語で書くなら、以下のようになるでしょうか。

・測定法          マススペクトル取得モード

・測定m/z範囲       20 – 1200

・マススペクトル取得時間  1秒

 

メーカーさんの人は専門家と言える筈なので、原理上正しくない用語は使って欲しくないですね。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
代表取締役 髙橋 豊
E-mail: tyutaka@ms-solutions.jp
http://www.ms-solutions.jp/
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

Ambientイオン化に対する違和感解消

質量分析をやっている人で、Ambientイオン化をご存じの方は多いと思います。Ambientは環境という意味で、Ambientイオン化は、装置の設置環境下で、試料の前処理を殆ど必要とせず、試料そのものの状態からイオンを生成させるイオン化のことです。Ambientイオン化の代表例と言えば、何と言ってもDART(Direct Analysis in Real Time)とDESI(Desorption Electrospray Ionization、脱離エレクトロスプレーイオン化)でしょうね。

 

しかし私は、このAmbientイオン化と言う専門用語に対して、以前から違和感をもっていました。何故なら、イオン化の名称はイオン化原理に基づくものであるべきと考えているからです。EI, CI, FAB, FD, ESI, APCIなど、全てイオン化原理に基づく名称がついています。一方Ambientイオン化は、特にイオン化原理とは直接関係ない名称です。特にDARTでは、用いられているイオン化はAPCIです。DESIの場合には、Electrosprayが名前に入っているから良いのですが。

 

最近そんなことを思いながら、大気圧イオン化の事を考えてみました。大気圧イオン化 (API, Atmospheric Pressure Ionization)は、大気圧でイオンを生成するイオン化の総称で、一般的には、ESI (Electrospray Ionization), APCI (Atmospheric Pressure Chemical Ionization), APPI (Atmospheric Pressure Photo Ionization)が含まれます。何れも、LC/MSに用いられているイオン化法です。大気圧イオン化は総称なので、その名前自身にはイオン化の原理的な意味は含まれません。

 

それと同じような視点でAmbientイオン化を考えれば、これもDARTやDESIなどAmbientな状態でイオンを生成するイオン化の総称なので、それ自身の名称にイオン化原理が含まれなくても構わないと考えたわけです。それで、Ambientイオン化に対する違和感はめでたくなくなりました。誰に話たわけではありませんが、この問題は自問自答して自己完結しちゃいました。でも、DARTに関しては、やっぱりイオン化というのは違和感が残ります。DARTに関しては、名前の中にもAnalysisが含まれていることもあり、Ambientイオン化ではなく、Ambient質量分析というべきでしょう。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
代表取締役 髙橋 豊
E-mail: tyutaka@ms-solutions.jp
http://www.ms-solutions.jp/
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

謹賀新年:初日の出ラン

新年明けましておめでとうございます。

元旦は例年通り、近くの初日の出鑑賞スポット、多摩湖堤防へ初日の出ランに行ってきました。

昨年は東の空に雲が多くてなかなか陽が出来てませんでしたが、今日は快晴!

綺麗な初日の出と、朝陽に染まる富士山が見えました。

新型コロナの影響はまだ続きそうですが、浜松医科大で立ち上げたプレッパーズ共々、今年も質量分析を通じて社会に貢献する仕事を継続して行います。宜しくお願いします。

 

DSC_1920

DSC_1920

DSC_1921

DSC_1921

DSC_1925

DSC_1925

DSC_1928

DSC_1928

DSC_1930

DSC_1930

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
代表取締役 髙橋 豊
E-mail: tyutaka@ms-solutions.jp
http://www.ms-solutions.jp/
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

質量分析屋のブログでは小平市を拠点とする日々の活動やお役立ち情報をご紹介しております

東京都小平市にあるエムエス・ソリューションズ株式会社のブログでは、企業様や研究機関における技術指導やセミナーなど日々の活動のご紹介をはじめ、大学での講義の模様などもご案内しております。
当社がどのようなサービスをご提供しているか検討材料にしていただけるのはもちろん、質量分析の最新情報やノウハウなどもご紹介しておりますのでぜひご参考になさってください。
東京都小平市のエムエス・ソリューションズ株式会社のブログではトライアスロンやマラソンを趣味とする代表のエピソードなどもご紹介しております。技術指導やご相談を承る代表の人柄なども垣間見られるブログとなっておりますので、ぜひ判断材料の1つにお役立ていただき、初めての方もお気軽にお問い合わせください。