2021年4月

緑茶のと生茶葉のLC/MS

緑茶と生茶葉のLC/MS測定を行ってみました。

生茶葉は真空乾燥させて、緑茶と同じ濃度に調製(水/メタノール=80/20)しました。

下の絵は、測定に使ったのと一寸違いますが装置のイラストと、全イオン電流(TIC)クロマトグラムです。

因みにこのイラストは、知り合いのお嬢さんに描いて貰いました♪

Waters TQ-XSイラスト

 

greeen tea & leaf

 

緑茶の製造では、高温で蒸す工程が入るので、正直もっとパターンが変ると思っていましたが、意外と似ていました。

両方とも、一番大きなピークはカフェイン、2番目と3番目はカテキンの類ですね。

身近にあるサンプルを測定するのって、面白いです。

 

※イラストやデータのコピーはご遠慮ください。

 

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恩師の瑞宝小綬章受章

私が質量分析に携わるようになって35年が経ちました。そのきっかけは、群馬高専の卒業研究で、当時教授だった田島進先生の質量分析研究室に配属になったことでした。

その田島先生が、令和2年春の受勲で、瑞宝小綬章を受章され、その事が群馬高専の学校だよりに掲載されているのを、群馬高専で同級生だった小林くんが教えてくれました。以下、その学校だよりからの抜粋です。

高専広報誌

 

この記事の中で、群馬高専(田島研究室)の卒業生で、教育や質量分析の分野で活躍している人や質量分析学会の奨励賞を受賞した人の名前を挙げておられますが、その中に私の名前も載っていました。ここに名前が挙がっている中で、戸野倉くん、関口くんの二名は同級生で、戸野倉くんとは質量分析学会等でたまに会う事があります。

 

田島先生は、学会等でお会いして他の人に私を紹介してくださる時などに、「教師がしっかりしていないと教え子が伸びるんですよ」などとお話されていました。教育者としても研究者としても、大変尊敬できる恩師の一人です。正に、私が質量分析を始めるきっかけを作ってくださった方ですから、まだまだお元気でいて欲しいと思います。そして、田島研出身である事に恥じないように、質量分析を通じて社会に貢献できる仕事をしていこうと、改めて思いました。

 

 

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MS解析はやっぱり生データを見るのが大切

共同研究者がLC/MSデータをデータ変換した後にソフトを使って探索した結果を知らせて来てくれて、念のために生データでフォローしたら、一部結果が違っていました。データ変換のプロセスで何かが起こって、シグナルを見逃したか何か不具合が起きた可能性があります。膨大なデータを一々生データから手動で解析するのは不可能なので、便利なツールを使うのは研究を進める上で必要ですが、やっぱり最後には生データを見て確認しないと、安心できないですね。

 

 

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MS/MS(タンデム質量分析)の動作や用語その3

今回は、MS/MS(タンデム質量分析)の動作や用語その3、プリカーサーイオンスキャンについてです。

プリカーサーイオンスキャンは、特定のプロダクトイオンを生成するプリカーサーイオンを検出するMS/MSの測定法です。

 

タンデム質量分析には、空間的タンデム質量分析と時間的タンデム質量分析があります。それぞれの方法に対応する装置として、前者はQqQ, QTOF, Q-Orbitrap4セクターなど、後者はQITFTICRなどがあります。今回のテーマであるプリカーサーイオンスキャンは、空間的タンデム質量分析で且つ、MS1, MS2共に電圧走査型の装置でのみ実施可能です。先に挙げた中では、QqQ4セクターが相当します。QqQを例に動作を説明します。

プリカーサーイオンスキャン

1 QqQ-MSにおけるプリカーサーイオンスキャンの動作

 

MS2は特定のm/zのイオンのみが通過できるように電圧を固定します。つまり、SIMの状態に設定します。そして、MS1はスキャンモードで動作させます。MS1は、設定したm/z範囲のイオンが小さい方から順番に全て通過し、qCIDによって開裂してプロダクトイオンが生成します。その中にMS2を通過するイオンがあった場合、その時のMS1の電圧から通過していたプリカーサーイオンのm/z値が分かります。

 

Q-TOFQ-Orbitrapでは何故プリカーサーイオンスキャンができないか?

 

MS2が電圧走査(スキャン)型の質量分離部ではないからと言ってしまえばそれまでですが、MS/MSの動作を考えれば容易に理解できます。TOFOrbitrapの共通点は、質量分離部に対して、イオンをパルスで打ち込む事です。Q-TOFQ-OrbitrapMS/MSで、プリカーサーイオンスキャンの動作が可能かどうか、ここで考えてみましょう。先ずQをスキャンしてイオンをm/zの小さい順に通過させ、q(コリジョンセル)でCIDによって開裂させます。そのプロダクトイオンを、一定時間毎に、Q-TOFの場合は直交加速によってTOFに、Q-Orbitrapの場合はCトラップからOrbitrapに、パルス状に打ち込みます。この「一定時間イオンを貯める」動作によって、プリカーサーイオンとプロダクトイオンの関係性が失われてしまう事が、これらの装置でプリカーサーイオンスキャンが出来ない理由です。プロダクトイオンスキャンの応用例として、陰イオン界面活性剤である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)のデータを図2に示します1)LASの負イオンESIにより得られた[M-H]-をプリカーサーイオンとしたプロダクトイオンスペクトルにおいては、直鎖の炭素数に依らずm/z 183イオンが生成します1)。このm/z 183イオンを設定したプリカーサーイオンスキャン測定のデータが図2です。

プリカーサーイオンスキャン例 島津

2. プリカーサーイオンスキャン測定の結果

サンプルはLAS標準溶液を使用。左:TICクロマトグラム、右:C123番目のピーク)のピークトップのマススペクトル1)

 

引用文献

1) 渡辺淳、TMS研究会要旨、Microsoft Word – 島津ー渡邉ー要旨_20120128.doc (tms-soc.jp)2021412日現在。

 

 

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ソルナックチューブ、ハマるところにはハマる

今年に入ってから、実際には2月からですが、同じお客様から立て続けに4回ソルナックチューブをご注文頂きました。

ソルナックチューブは、不揮発性移動相を用いたLC/MSを可能にする消耗品で、リン酸塩や不揮発性のイオン対試薬、TFAなどを移動相に添加した時の、イオン化抑制による検出感度の低減やイオン源の汚染を低減する効果があります。

salnac tube

 

不揮発性緩衝液は基本的にはLC/MSには使えない。これは基本的なことではありますが、LC分離の観点からどうしても使いたい!

 

そんなときに、ソルナックチューブはお役に立てると思います。

 

 

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CE-MSによるアミノ酸混合物の測定データ

以前のブログに、アメリカのベンチャー908devices社が開発したマイクロチップベースのCE-MSインターフェースの販売協力をする事になったという記事を載せました。

今日は、その製品を使ってアミノ酸混合物を測定したデータをご紹介します。

このインターフェースは、Thermofisher ScientificのQ-EXactiveに接続して使用しました。通常のESIソースを外して、トランスファーチューブのカバーを外すだけで、簡単に取り付ける事ができます。その後ラインやチップのプライミングなどを行って、ESIソースの取り外しから30~40分くらいで、CE-MSとして使用する事ができます。

CE-MS TIC

CE-MS Spectra

上の図がTICC (total ion current chromatogram、全イオン電流クロマトグラム)で、①~④のラベルを付けたピークの4つのマススペクトルが下の図です。

メーカーが準備したアミノ酸混合物なのではっきりとは記憶していませんが、確か16種類くらいのアミノ酸混合物の溶液だと思います。

それが2分以内に測定できてしまいます。このスピード感が、CE-MS特にZipChipの特長と言えるでしょう。

 

 

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