2021年6月

ボッチランで久しぶりオーバーハーフ

今朝のランは、一人で狭山丘陵を中心に約23 km。

コース

 

ここしばらく、ボッチランでは長くても15 kmまでしか走っておらず、記録をみたらなんと昨年の7月以来でした。

 

多摩湖周辺は整備されたランニングに適したコースがあるのですが、チョット脇に入るとこんなナイスなトレイルコースがあります。

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狭山湖の堤防では、草原と青空のなかなか綺麗な写真が取れました♪

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多摩湖と狭山湖の写真も撮ってきました。

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21~22 kmでは5分40秒まで上げられたし、キツかったけどまずまず走れました。

午後は、少年サッカーチームの練習試合があります (^o^)/

 

 

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エムエス・ソリューションズ株式会社
代表取締役 髙橋 豊
E-mail: tyutaka@ms-solutions.jp
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偶数電子イオンのフラグメンテーション-3:マスシフト則(±0と+2)の例

LC/MS/MSによるプロダクトイオン分析で対象となる偶数電子イオンのフラグメンテーションの3回目、今回はマスシフトを伴う例について解説します。偶数電子イオンのフラグメンテーションにおけるマスシフトについてはまた別の機会に紹介しますが、直ぐに知りたい方は、故中田尚男先生が論文にまとめられていますので1, 2)、そちらを読んでください。前回に続き、アルギニンのプロトン付加分子([M+H]+)のプロダクトイオンスペクトル(図1)から、典型的な例を示して解説します。

Arg prodact ion spctrum

図1 アルギニンのプロトン付加分子のプロダクトイオンスペクトル

 

フラグメンテーションに関する基本的な考え方の一つに、¨フラグメントイオンと脱離する中性フラグメントは、両方とも有機化学的に安定な構造である¨、という事があります。今回の解説は、その事が特に重要になります。

 

1で観測されているm/z 116, 60イオンの生成について、推定フラグメンテーションを図2に示します。

 

Arginine Fragmentation_+2H

図2 アルギニンのプロトン付加分子からのm/z 116, 60イオンの推定生成過程

 

2回目の記事と同様、イオン化の際にプロトンが付加するのは2つの1級アミノ基のどちらかですが、低エネルギーCIDによって励起状態になった際にプロトンが移動し、グアニジル基の根元の窒素に移ったとき、このフラグメンテーションが起こると考えられます。正電荷に対して隣のC-N結合の電子が2つとも動くと、炭素は電子を1つ失った状態になるため、正電荷をもちm/z 116イオンが生成します。このイオンはそのままの構造で安定であるため、マスシフトは±0です。これは、以前の記事に書いたアンモニア脱離と水脱離によって生成するイオンと同じです。

一方、同じ結合の電子が1つだけ正電荷に向かって動くと、グアニジル基側が正電荷をもちます。しかし、これはラジカルカチオンで構造的には不安定なので、このままでは検出されません。このイオンが安定化するために水素が結合し、結果としてm/z 60イオンが生成します。偶数電子イオンのマスシフト則は、イオン化していない中性の構造において結合を切断し、その構造と実際に検出されるイオンとの質量(m/z)差を示すので、ここで取り上げたm/z 60イオンについては、マスシフトは+2となります。マスシフトは、主として生成するフラグメントイオンを安定化させるために起こると考えられており、この事はフラグメンテーションを考える上で重要ですので、是非知っておいてください。

 

文献

1) H. Nakata, J. Mass Spectrom. Soc. Jpn., 50(4), 173-188 (2002).

2) H. Nakata, J. Mass Spectrom. Soc. Jpn., 63(1), 31-43 (2015).

 

 

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偶数電子イオンのフラグメンテーション-2:電荷移動の考え方

前回の記事に引き続き、LC/MS/MSによるプロダクトイオン分析で見られるフラグメンテーションについて解説します。今回は、偶数電子イオンのフラグメンテーション-2というタイトルにしていますが、恐らくは偶数電子イオンに特化したものではなく、LC/MS/MSで用いられる開裂法である低エネルギーCIDにおけるフラグメンテーションの考え方になります。

 

フラグメンテーションの基本的な考え方は、図1に示すポテンシャルエネルギー曲線によって説明できます。

ポテンシャルエネルギー曲線

図1 フラグメンテーションにおけるポテンシャルエネルギー曲線

 

あるイオンにCID等によってエネルギーが与えられる時、そのイオンの内部エネルギーが、イオンの中の結合が開裂する反応(フラグメンテーション)の活性化エネルギーを超えるとそのフラグメンテーションが起こります。低エネルギーCIDは、例えば四重極コリジョンセルを用いる場合、プリカーサーイオンは数eV~最大200 eV程度の運動エネルギーでHeXeを充満したコリジョンセルに導入され、低いエネルギーで何度も衝突繰り返す事で徐々に内部エネルギーが上昇する。そして、最も低い活性化エネルギーを超えたところでそのフラグメンテーションが起こります。一つのイオンから複数のフラグメンテーションが起こり得るとき、低エネルギーでは最も低い活性化エネルギーのフラグメンテーションのみが起こり、それ以外のフラグメンテーションは基本的には起こり得ません。しかし、低分子化合物にしろペプチドにしろ、フラグメントイオンが1つしか生成しないという例は殆どありません。

 

前回も用いたアルギニンのプロトンが付加のプロダクトイオンスペクトルを図2に示します。

Arg prodact ion spctrum

図2 アルギニンのプロトン付加分子のプロダクトイオンスペクトル

 

逐次反応によって複数のフラグメントイオンが観測される事は有り得ますが、それだけではこれだけ多くのフラグメントイオンが生成する事は説明できません。前回の記事に書いたように、プロトン付加分子のフラグメンテーションは、プロトンが付加した原子(正電荷)に対して近隣の結合の電子が動くことによって起こります。イオン化の際にプロトンが付加する原子は、プロトン親和力が支配的なので、アルギニンの場合は2つの1級アミノ基の窒素に限定される筈です。図2で観測されているm/z 157イオンは、プリカーサーイオンとのm/z 差が約18であり、H2Oの脱離によって生成すると考えられます。H2O脱離は、図3に示すように、カルボキシ基の水酸基上にあるプロトンに対して隣の結合の電子が二つとも動く事によって起こると考えられます。

 

Arginine Fragmentation MH-H2O

図3 アルギニンのプロトン付加分子からの脱水反応の推定機構

 

では、イオン化の際にカルボキシ基の水酸基酸素にプロトンが付加するのか?

 

それは恐らくNoです。上述したように、イオン化の際にプロトンが付加するのは、2つの1級アミノ基の窒素に限定される筈です。そして、CIDによって励起状態になったとき、プロトンが水酸基に移動し、図3に示すフラグメントイオンが起こったと推測されます。このようなフラグメンテーションに先立ってプロトンが分子内を移動する現象は、ペプチドでは°mobile proton°として報告例があります1)。低分子化合物においても、ペプチドと同様なmobile proton現象は起こり得ると考えて良いでしょう。

 

文献

1) R. Boyd and A. Somogyi,  J. Am. Soc. Mass Spectrom., 21, 1275-1278 (2010).

 

 

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