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JASIS2016:LC, LC/MSのセミナー

9月7~9日、幕張メッセにおいて、分析機器や理化学機器の展示会、JASIS2016が開催されます。

JASIS2016

 

併設されるセミナーの中からに、¨これであなたも専門家¨というシリーズがあり、初日の¨LC編¨でLC/MSの話をします。このセミナーでは、もう10年位続けて話をしています。

JASIS併設セミナー

 

参加費は無料で、その道のプロ達が、LCに関する様々な(前処理、分離、検出など)話をします。例年満席になるので、聴講を希望される方はお早めに参加登録されることをお勧めします。

 

しかし、このセミナーのタイトル、¨これであなたも専門家¨などと銘打っていますが、初心者や初級者が丸一日話を聴いただけで専門家になれる筈はありません。

 

特に無料だと、¨無料だから取りあえず聞いてみるか¨というノリで聞きにくる方がいますが、参加されるなら、しっかり目的意識をもって参加された方が良いです。

 

 

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エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
TEL:042-308-5725
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LC/MSに関する新しい専門書、LC/MS虎の巻

LC/MSに関する新しい専門書が発刊されます。

¨LC/MS虎の巻¨

 

 

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LC/MS, LC/MS/MS虎の巻

 

液体クロマトグラフィー研究懇談会編集、所謂Q&A本です。全部で100問、1問につき2ページの解説があり、値段の割りに内容の濃い本に仕上がったと思います。税込3240円です。

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私は10問ほど解説を書き、編集にも携わりました❗

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何年か前、液クロ虎の巻シリーズ全6巻が完結して、これが結構評判良いのです。ここ数年はHow to本とか分析士試験の解説書とかを出していましたが、LC/MSのQ&A本で2匹目のどじょうを狙いにいった感じです。

 

まぁ、液クロやLC/MSのエンドユーザーの人達には、安くて内容の濃い本が沢山あれば、選択肢が増えて良いと思います。

 

多くの人に読んで欲しい本ですが、読んだだけで出来る気にならないってことが重要です。

 

私は質量分析を約30年、LC/MSを約25年研究していますが、やればやるほど難しい機器分析であることが分かります。
お仕事でLC/MSを使う人は、装置を自分で工夫して使ってデータを自分で読んで、沢山経験を積んで下さい。

 

 

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エレクトロスプレーイオン化の基本:イオン種から分子質量を推測する(正イオンの場合)

液体クロマトグラフィー質量分析(liquid chromatography mass spectrometry, LC/MS)に用いられている代表的なイオン化法、エレクトロスプレーイオン化(electrospray ionization, ESI)や大気圧化学イオン化(atmospheric pressure chemical ionization, ACPI)では、検出イオン極性や移動相溶媒の種類に依って様々な付加イオンが生成します。

 

未知試料をLC/MSで測定した時、得られたマススペクトルからその成分の分子質量を判断することが、定性分析の第一歩です。その際重要なのが、付加イオンの解釈です。ESIにしろAPCIにしろ、分子がイオン化する際、様々な形のイオンになります。

 

代表的なのは、正イオン検出でプロトン付加分子([M+H]+)、負イオン検出で脱プロトン分子([M-H])ですが、他の付加イオンを含め、1つの化合物に対して複数の付加イオンが生成する場合もあります。生成し易いイオン種は、主にはイオン化モード(イオン化法+極性)と移動相溶媒で判断でき、その時、この表が参考になると思います。ただし、機種や各種測定条件によっては、必ずしもこの表の通りにはならないこともあります。

生成するイオン種

 

例えば、ESI(+)LC/MSで二つの化合物を測定して、次のようなマススペクトルが得られたとします。同位体イオンの分離挙動から、これらは全て1価イオンであることが確認されていれば、プロトン(H+)の質量は整数で1、ナトリウムイオン(Na+)の質量は整数で23ですから、化合物Aのマススペクトルで観測されているm/z 501[M+H]+m/z 523[M+Na]+と帰属することができ、化合物Aの質量は整数で500であることが分かります。

 

また、化合物Bのマススペクトルでは、アンモニウムイオン(NH4+)の質量が整数で18であることを考慮すると、m/z 700が[M+H]+m/z 717は[M+H]+m/z 722は[M+Na]+と帰属することができ、化合物Aの質量は整数で699であることが分かります。

マススペクトル

 

これらは、ESI(+)では最も基本的なパターンです。、ESI(-)やもっと複雑なケースについては、別の機会に解説します。

 

 

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LC/MSのデータ解析に関する技術指導

 

今日、新規のお客様(企業)の研究所へ、LC/MSの技術指導のために伺いました。

 

装置はLC-TOFMS。

 

分解物など基本的には全くの未知成分から成る希薄な試料を測定し、どのように成分を拾い出して、どのようにマススペクトルを解析していくか?

 

この装置の特性として、イオン源の最適条件がイオンのm/zに応じて結構変わる、ということが挙げられます。

 

ある狭いm/z範囲のイオンを効率良く検出できる条件、広いm/z範囲のイオンを漏れなく検出できる条件、など。

 

後者の条件設定にすると、m/z 100以下の溶媒由来のバックグラウンドが高強度で観測されるので、TIC(全イオン電流)クロマトグラムではピークは殆ど観測されません。

 

その状況で如何にしてピークを見つけて、試料成分を拾い出していくか!

 

条件設定の考え方を含めて、コツを教えてきました。

 

林のように乱立する大量且つ高強度のバックグラウンドイオンの中から、小さな試料成分イオンを見つけることは、ソフトの機能を使っても不可能な場合が殆どで、心眼で見つける必要があります。

 

まぁ、一種の勘のようなものですね。

 

早稲田大学の技術指導でも似たようなことを教えていますが、こう言うことって、メーカーのトレーニングでは先ず教えてくれないし、そもそもこの感覚をもっている人は非常に少ないと思います。

 

実際の装置で実際の試料を測定しながら、一緒にデータを解析する中でしか伝えられない(机上のセミナー等では伝えられない)ので、仕事の効率としては良くないのですが…
今日のお客様からは初めてのご依頼でしたが、かなり有益な情報を伝えられたと思います。1日だけで伝えられることには限界があるので、あと2回位一緒に解析すると、相当レベルアップできるでしょうね。

 

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エレクトロスプレーイオン化の基礎:イオン源の変遷

前回、エレクトロスプレーイオン化(electrospray ionization, ESI)について少し触れました。

http://ms-solutions.jp/blog/308

 

ESIの開発によって、LC-MSは実用的な装置になりましたが、エレクトロスプレー(ES)イオン源が最初からLC-MSに用いられていた訳ではありません。

 

今回は、私の知る限りという限定付きですが、ESイオン源に関する変遷について書いてみたいと思います。

 

市販のESイオン源を最初に開発したのは、Analytica of BranfordAB)という会社でした。1990年代の中頃のことだったと思います。当時、質量分析計の主なメーカーは、LC-MSのイオン源としてサーモスプレーをもっていました。

サーモスプレーLC-MSに関する記事

 

AB社は所謂サードパーティーで、各質量分析計メーカーにESイオン源を供給していました。初期のESイオン源の構造概略(詳細は正確ではないかも)↓

初期のESイオン源

 

ESは、高電界の作用で帯電液滴を生成させる技術ですが、液体の連続流から安定的に帯電液滴を生成させるには、液体の流量に制限があります。その流量は、概ね<5 µL/minです。1990年代中頃、LCで用いられていた移動相流量は1 mL/minが主であったため、LCESI-MSに直結することは不可能でした。そもそも、当時のESイオン源で生成されるイオンは非常に不安定で、綺麗なマススペクトルを得るためには、最低1分間程度はシグナルを積算させる必要がありました。クロマトグラムのピーク幅を考えると、LCとの接続が不可能だったことが容易に分かると思います。

 

イオン生成が不安定だった主な要因は、検出器に到達するイオン量の少なさだったと思います。上図のESイオン源の構造のように、当時のイオン源ではスキマーの後段に高真空中でのイオン収束に有効な静電レンズが配置されていました。ESIは大気圧でのイオン化法なので、スキマー部分、その後段の部分、質量分離部と徐々に真空度を高める差動排気という真空排気法が用いられます。スキマーの後段部分は、それ程真空度が高くありません(100 Pa程度)。 静電レンズはイオンを収束させるのに有用なデバイスですが、イオンの進行方向に対してレンズ-レンズ間の電圧差を利用してイオンを加速させます。真空度があまり高くない領域で、このように電圧差でイオンを加速させてしまうと、イオンが大気分子と衝突してしまいます。

 

そこで、次回以降で解説する“高周波電圧を使うデバイス”の開発によって、低真空領域でのイオンの透過効率が劇的に向上しました。

 

ESIを始めとする大気圧イオン源が現在のように汎用的になったのは、“高周波電圧を使うデバイス”の開発に依るところが大きいと思います。

 

 

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大菩薩峠へのラン練習

今週日曜日(8/7)、富士見楽走会という私が代表を努めるランニングクラブのイベントで、大菩薩峠へラン練習に行って来ました。

昨年のフルーツマラソンでこのコースを走って以来、キツい上り坂に魅了されてしまい、この春から日帰り遠征をしています。既に4回目!  今回は、過去最多の8名参加。

 

 

中央本線の塩山駅(標高約400 m)を8時にスタート。

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↑塩山駅北口の武田信玄公像の前で、スタート前の余裕の記念撮影

 

前回までは国道411号を北上したのですが、広い道で日陰がなかった記憶があるので、今回は県道201号を選択。車の通りが少なく、日陰も少しあり、まずまず快適に走れました。

 

ただ、最初は標高がそれほど高くないので暑さは厳しく、何ヵ所かキツくて真っ直ぐな上り坂があり、気持ちが折れそうになりました。

 

10 km地点で、国道411から大菩薩峠方面へ向かう道に突き当たります。

 

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この標識が見えると、もう直ぐキツい傾斜の林道        突き当りにある案内板

 

ここから上り坂の傾斜はさらにキツくなりますが、林道で木陰が多く、標高も1000 mを越えてくるので、時折吹く風が涼しく快適でした。上り坂はとんでもなくキツいので、身体はヘロヘロですが…(>_<)

 

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林道から見る景色!

 

 

林道を7.5 km上ったところが、10月に行われるフルーツマラソン大菩薩コースのゴール。標高は1600 m。ここまで3時間チョイ。お店が一軒あり、かき氷やアイスクリーム、桃など食べて小休止。

 

ここから登山道を3 kmほど登ると、標高約1900 mの大菩薩峠。

 

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そこそこ険しい登山道

 

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大菩薩峠の頂上

 

 

景色の良いところでエネルギー補給。

 

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下に見えるのは大菩薩湖。天気が良ければ富士山も見えます。

 

 

近くにいた少し年上のお姉様達に写真を撮って頂きました。仲間の一人が、

 

¨塩山駅から走って来た¨

 

と話したら大そう驚かれたそうです(^^;

 

 

登山道の下り、みんなで結構な勢いで駆け下りていたら(もちろん登山の方達の迷惑にならないように!)、先ほど写真を撮ってくれたお姉様達が、立ち止まって拍手で道を譲ってくれました (^_^)/

 

登山道と一般道合わせて約15 kmを一気に下り(途中2回ほど止まって休憩)、ゴールは天目山温泉!

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全行程は約38 km程になりました!

 

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GPSウォッチで計測したコース図

 

 

汗を流してビールで乾杯 o(^_^)o

 

かなりの暑さを覚悟していましたが、流石に標高が高いところを走ったので、全体的に暑さはそれ程でなく、いつ行ってもキツいコースで、良い練習になりました。

 

 

走る度に思うのは、“やっぱりマラソンは仕事の役に立つなぁ”ってこと!!

 

仕事にしても何をやるにしても

 

「ここ一番キツい時に踏ん張れる」

 

のはマラソンで鍛えられているためだと思います。同じ(質量分析の)業界に、マラソンやトレイルランをやっている人が何人かいますが、皆さん尊敬できる良い仕事をしている方達です。

 

仕事もマラソンも、これからも続けて頑張ります \(^_^)

 

 

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